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欅 (ケヤキ)

欅とはニレ科ケヤキ属の高木で、落葉広葉樹の一つです。
国内では本州・四国・九州と広く分布しており、国外では中国・朝鮮半島・台湾などの東アジアで生息しています。
樹高は20〜25mほどで、大きいものだと40mを超す個体もあります。
長寿の木としても知られる欅は何百年と生き続け、中にはなんと推定樹齢1600年に達するものも。
また人間の皮膚が新陳代謝によって生まれ変わるのように、欅の樹皮も古くなるとポロッと剥がれ落ちるというユニークな特徴を持っています。
山林はもちろんのこと、各地では有名なケヤキ並木通りが数多く存在し、街中でも見かける機会が多いですよね。
枝を扇状に大きく広げた樹形が端正で魅力的だと好まれており、春の芽吹き、夏の新緑、秋の紅葉、冬の木立と、四季折々の美しさで昔から日本人に愛されてきた欅。
欅の語源となった古語「けやけし」には、目立つ・ひときわ優れているという意味があり、その由来通り強靱な耐久性、美しい見た目という点で異彩を放ち、古くから尊ばれてきました。
それでは、そんな欅の特性や魅力をさらに深掘りしていきましょう!

欅の種類

欅は見た目や材質の個体差が激しい材種であるため、「欅」と「槻(つき)」という大きな2つに分類してきましたが、現在では「欅」の1種類とされていて、材質等の違いは育った環境によるものであることが分かっています。
しかし木材界ではこの2つを区別するため赤欅(アカケヤキ)、青欅(アオケヤキ)の名で呼び分けることがあります。特に色味は個体差が激しく、色味や材質によって価格も著しく違ってくるのです。
では、それぞれの違いについて見ていきましょう。

赤欅(アカケヤキ)

心材の部分が赤味を帯びた美しい木目をしており、磨くと艶やかな光沢が出るため鑑賞価値が高いです。高樹齢のため年輪幅が狭く、硬い材質・摩擦に強い・狂いが少ないという特徴があります。
そのため需要も多く、高値で取り引きされています。

青欅(アオケヤキ)

心材の部分が白っぽく、樹皮の部分が青味がかっており美しさに欠けます。
若い木で年輪幅も広く、加工の際反ってしまうという特徴を持っています。
赤欅に比べるとかなり安価で取り引きされています。

欅の魅力

美しい色味・艶

前述したように、欅材の色味には赤味がかったもの・青味がかったものがありますが、他にも茶色・オレンジ色・黄色味がかったものなど、個性的な色味がたくさん存在します。
経年変化を楽しむこともでき、使い込むほどに深みが増していく色味と、黒く変色しくっきりと現れてくる木目はとても趣があります。
また木目の引き締まった硬い欅は、丁寧に磨くだけで驚くほど素晴らしい艶が出てきます。その上品で高級感漂う艶をまとった木目の美しさは眺めているだけでうっとりしてしまうほど。
しかし欅材は強靱な材だからこそ加工には時間を要するため、加工技術の一つであるウレタンコーティングを施す場合があります。こちらの加工は低コストで強い艶を与えることができ、汚れや傷から守ってくれるという効果がありますが、木材本来の風合いや感触を損ないやすいという側面があります。その他にも艶出しの方法はオイル塗装や漆塗りなど色々あり、材木や目的に合わせて塗装が施されます。

バリエーションのある杢目

欅は明瞭で緻密な木目をしており、その美しさは広葉樹の代表格といえるでしょう。
そして「杢目」のバリエーションが幅広いことも大きな魅力です。
杢目とは、生育環境などが木の繊維に影響して現れる、柾目や板目といった木目とは違う特殊な模様のことですが、欅に現れる杢目には「泡杢」「笹杢」「さば杢」「牡丹杢」「絵巻杢」「筍杢」「波杢」など実に様々な種類があります。
杢目に出会うこと自体珍しいですが、中でも魚の鱗に似た模様の「如鱗杢(じょりんもく)」、同心円が幾重にも並んだ模様の「玉杢」は希少性が高く、最高級品として称されています。

強靱な耐久性

美しい見た目もさることながら、耐久性の面でも非常に優れています。
そのため建築、家具、船舶、フローリングなど強度を必要とするシーンで使われることが多いです。
耐用年数はなんと800〜1000年程といわれており、また腐朽しにくい性質も持っていることから寺社建築や城建築には必要不可欠な材木といえます。
京都にある有名な清水寺の舞台は1633年(寛永10年)に再建されましたが、現在も欅材の柱によって支えられており、その耐久性と保存性の高さを物語っています。
他にもお椀やお盆といった漆器・杵と臼・仏像の彫刻、和太鼓など、私たちの身近な所に欅材はたくさん使われており、古くから日本人の暮らしに寄り添い親しまれてきました。
さらに欅の木が放つ爽やかで落ち着きのある香りには、消臭・抗菌効果となる成分が含まれているためリフレッシュ効果も期待できます。

欅でつくられた家具のご紹介

欅を使ったアンティーク家具

家具づくりにおいても昔から親しまれてきた欅材。
安土桃山時代から木材として使われ始め、江戸時代には箪笥や座卓などの和家具に用いられ重宝されてきました。
現在のアンティーク市場でも欅材の家具は数多く存在し、長い歴史を刻みながらさらに味わい深さを増した伝統美あふれる家具の数々に惹きつけられます。
ちゃぶ台や火鉢、茶箪笥といった当時の日本文化を感じる家具を現代の生活に取り入れるのも粋ですよね。
頑強で鑑賞性の高い欅材のアンティーク家具は、扱い方に気を付ければこれからも何十年先、何百年先と継承していくことができます。

欅を使ったヴィンテージ家具

ヴィンテージとされる1950〜1980年代にかけても、欅を使った家具は数多く生み出されました。
欅といえば一枚板テーブルを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、ヴィンテージ家具でも見かける機会が多いです。
唯一無二の木目(杢目)の表情、個性豊かな色味、存在感際立つ重厚な佇まいを贅沢に丸ごと楽しめるのは一枚板テーブルならではの魅力ですね。
現代でも一枚板テーブルは人気があり、レトロな空間にもモダンな空間にも合わせることができるため、世代を超えてこれからも愛され続けることでしょう。


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欅を使った現代のブランド家具

かつて総欅造りの家は格式が高いとされてきましたが、近年は生活環境の洋風化により和室は減ってきました。
しかし松本民芸家具・岩谷堂箪笥・南部箪笥・二本松箪笥など様々なブランドやメーカーで欅材の家具はつくられ続け、日本の伝統工芸品にとって欠かせない重要な木材なのです。
歴史的建造物や寺社仏閣の建材に使われるほど古くから日本に根付き、親しみ使われ続けてきた欅なので、当然和室との相性は間違いなしです。
現代ではアンティークやヴィンテージ家具をリメイクしたり、洋室にも合うようスチールや鉄などを取り入れたモダンな家具が作られたりと、時代に合ったスタイリッシュな欅材の楽しみ方も好まれています。


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