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ジャコビアン様式とは

ジャコビアン様式とは、17世紀初頭のイギリスで流行した美術の様式を指します。当時の国王ジェームス1世のラテン名「ジャコビアン」から名付けられました。広義では後継のチャールズ1世、チャールズ2世、ジェームズ2世の時代も含まれ、17世紀全般に栄えた美術様式と言えます。

ジャコビアン様式の特徴とは

ジャコビアン様式 チェア

ジャコビアン様式期の家具はシンメトリーな造形が好んで使われており、この時代の前に栄えたエリザベス様式の影響が残っていることが伺えます。また、挽物を施した脚を使用していることも特徴的。先代エリザベス様式の影響を受けつつも、装飾に自由さと軽やかさが加わったのがジャコビアン様式と言えるでしょう。

「エリザベス様式」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ルネサンス様式」のページはこちら

カービング装飾

アンティーク チューダーローズ

ジャコビアン様式の家具には彫刻を施されたものが多くあります。バラの紋章であるチェダーローズや、リネンを折りたたんで重ねたような彫刻の「リネンホールド」、果実の彫刻「メロンバルブ」など美しい彫刻が、この時代に流行しました。

「メロンバルブ」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ブルボーズレッグ」のページはこちら

挽き物の種類

アンティーク 脚

ジャコビアン様式の家具は美しい脚のデザインも見どころの一つです。花瓶状のデザインの挽物や、丸い球を重ねたようなボビン状の挽物が流行していました。

ジャコビアン様式 チェア
チェア バーリーシュガーツイスト

ジャコビアン様式の後期に入ると、ねじり挽物の脚が多用されるようになりました。これは挽物を製作するのに使われた送り台が発達したことで、らせん状に挽く技術が栄えたためと言われています。

「ツイストレッグ」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ツイストレッグ」のページはこちら

引き出し家具

イギリス アンティーク

また、引き出しきの家具が多くなったこともこの時期の特徴です。ジャコビアン様式の前は、枠に引き出しをはめ込んだだけの簡単なものしかありませんでしたが、出し入れがしやすいよう引き出しのサイドランナーを加工し始めたために引き出しの文化が栄えました。

歴史

エリザベス1世没後、スコットランド王であるジェームズ6世がジェームズ1世としてイギリス国王に即位しました。ジェームズ1世が即位したのが、1603年。ここからジャコビアン様式の時代が始まります。
1603年から1658年を前期ジャコビアン様式と呼びます。この後、ジェームズ1世は清教徒革命にて権力をはく奪されましたが、チャールズ2世によって王政復古が成し遂げられました。チャールズ2世によって後期ジャコビアン様式が花開いたのです。チャールズ2世は、貿易によりオランダやフランスの芸術を多く取り入れました。これにより多様性があり華やかな文化・芸術が栄えていきました。

装飾を鑑賞したいジャコビアン様式

ジャコビアン様式は、挽物の技術、シンメトリーな美しさ、細やかな彫刻など装飾を鑑賞したい美術様式です。当時の華やかな生活を覗き見れる美術品や家具が多く、今なお人気があるのです。

⇒ラフジュ工房のジャコビアン様式の家具はこちら

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