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チャイナキャビネットとは


チャイナキャビネットとは中国製のキャビネットという意味ではなく、ボーンチャイナ(陶磁器)を飾るために作られたキャビネットのことを指し、イギリスの伝統的なアンティーク家具として知られています。
陶磁器だけでなくガラス製品やコレクションアイテムなどを展示することも多く、ディスプレイ性に長けた収納家具として古くから活躍してきました。

チャイナキャビネットの特徴

特徴その1. ガラス扉

チャイナキャビネットには「四角型」「半円型」「台形型」など様々な形状がありますが、どのタイプも飾られたティーカップ・お皿・グラスなどをよく見せるため、扉にはクリアな見た目のガラスが使用されています。
ガラス扉を使用することで、展示品をホコリや汚れから保護しながら飾ることができ、展示品がより美しく映えるよう棚もガラス製で作られることが多いです。
様々な方向からふんだんに光を取り込み、キラキラと反射させながら、飾られたものをより煌びやかに展示します。

特徴その2. 高級木材

チャイナキャビネットは上流階級の家庭で愛用されていたため、主にマホガニーやオークといった木目の美しい高級木材が使用されています。そうした木材は時を重ねるごとに濃い色合いへと深みを増していき、中の展示品と互いに美しさを引き立て合いながら、より一層エレガントな雰囲気を醸し出します。

特徴その3. 優雅なデザイン

展示品をより魅力的に見せるため、木の部分に透かし彫り・精巧な彫刻・象嵌細工など凝ったデザインが施されています。

木の部分だけでなくガラス扉にも装飾を施したり、またキャビネットの背面に鏡や壁紙を張ったものもよく見かけます。

特徴その4. 照明機能

一般的なキャビネットではあまり見られない、ディスプレイ要素に特化したチャイナキャビネットだからこそ見られる特徴が照明機能です。照明で展示品をライトアップしながら、より高級感のある幻想的な雰囲気を演出します。

チャイナキャビネットの歴史

チャイナキャビネットは1600年代のイギリスで生まれたとされ、初期のものはクルミ材やオーク材を使いシンプルなデザインで作られていました。
この頃はまだヨーロッパで陶磁器の開発はされていなかったものの、当時イギリスを共同統治していたウィリアム3世と妻のメアリー2世が中国の陶磁器を収集していた影響で、陶磁器やそれらを飾るための家具が普及していきました。
イギリスの家具職人は、オランダの家具にヒントを得ながらチャイナキャビネットを作り始め、次第にイギリスやオランダで大流行していきます。その後ヨーロッパ各地・アメリカへと広がっていきました。

イギリスにとっては大切なアフタヌーンティーの時間を優雅に楽しむための重要なアイテムであり、所有者の富や芸術性を表す象徴でもありました。特にジョージアン時代「トーマス・チッペンデール」「ジョージ・ヘップルホワイト」などの著名な家具職人によって作られた優美で精巧なデザインが人気を博します。
19世紀になると、ビクトリア朝・ゴシックリバイバルの影響でエキゾチックな輸入素材が用いられ、より装飾的に作られるように。
20世紀にはアールデコ・ミッドセンチュリーなどのヴィンテージの魅力と融合した実用性のある現代的なデザインへと姿を変えていきます。
こうしてチャイナキャビネットのデザインや用途は、何世紀にも渡って時代や社会を反映しながら進化し、現代でも重要な家具として作られ続けています。

チャイナキャビネットと類似するアンティークキャビネットの種類

チャイナキャビネットと同様に、ガラス扉(ガラス戸)を多用することで「見せる収納」に特化したキャビネットが他にもありますのでご紹介していきます。

ディスプレイキャビネット

その名の通りディスプレイに適した西洋家具。横型や縦型など形状も様々で、チャイナキャビネットの特徴と非常によく似ています。
⇒ラフジュ工房のディスプレイキャビネットはこちら

キュリオケース

骨董品を飾ったり収納するケースのことで、縦に細長い形状のものが多いです。ディスプレイキャビネットと同様に、チャイナキャビネットとの明確な線引きが難しいものも多数あります。
⇒ラフジュ工房のキュリオケースはこちら

ガラスケース

前面・側面・背面がガラスでできたケースで、商品や作品などの見栄えを良くして展示効果を高めることのできるアイテムです。
⇒ラフジュ工房のガラスケース・ショーケースはこちら

ケビント

ケビントとはドイツ語で「キャビネット」の意味ですが、日本では医療棚を指します。元々は薬品などを収納するために作られましたが、現代ではディスプレイ棚として愛用する人も多いです。

「ケビント」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ケビントとは」のページはこちら

⇒ラフジュ工房のケビント・デンタルケースはこちら

ブックケース

本棚として作られたブックケースは、大きなガラスで中がスッキリと見え収納力も抜群の家具。ステンドグラスなどの華やかな装飾を施したものもあります。
⇒ラフジュ工房のブックケース・本箱はこちら

カップボード

食器の収納棚であるカップボードは、陶磁器やガラス製品を中に飾るチャイナキャビネットと似ているものを感じます。各国様々なデザインが存在します。
⇒ラフジュ工房のアンティーク食器棚・カップボードはこちら

ガラス戸棚

和製アンティークのガラス戸棚は、大きなガラス戸とシンプルなデザインが特徴で、収納力も優れているのでたくさんのアイテムをディスプレイすることができます。
⇒ラフジュ工房のガラス戸棚はこちら

グリアージュキャビネット

扉にガラスではなく金網がはめられたキャビネットです。中のものをスッキリと見せるガラスとはまた一味違ったディスプレイスタイルを楽しむことができます。
⇒ラフジュ工房のグリアージュキャビネットはこちら

現代の使われ方

現代でも、大切なものを飾るための優れた家具として重宝されています。優雅なクラシックデザインからモダンなシンプルデザインまで様々な種類があり、お部屋のスタイルに合わせてコーディネートすることができます。

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