ロココ調と言えば、優雅で宮殿のようなスタイルのイメージがありますよね。ロココ調の家具をインテリアに取り入れれば、たちまち非日常的なコーディネートに仕上がります。そんなロココ調の家具の中でも特に高級なブランドのものは、安価な家具と比較して絶対的な存在感があるからおすすめです。今回は、高級ロココ調家具のおすすめブランドを調査してまとめてみました。フェミニンでエレガントな部屋作りの参考にしてみてくださいね。
目次
シリック
現代のロココ調家具ブランドと言えば、のブランドがシリックです。イタリアの高級家具ブランドで、ロココ様式時代の家具を丁寧に再現しているのが特徴ですよ。
シリックの家具を見てみると、手作業の多さとその技術の繊細さに感銘を受けるのではないでしょうか。例えば細やかでカーブの美しい彫刻や、一つひとつ手描きで描かれるイラストなど、機械ではなくあえて人の手で作り上げられていることには驚きを感じるでしょう。
また、シリックの家具は女性的な色遣いのものが多いのも特徴的です。白をベースに金の装飾やパステルカラーのイラストが描かれたものが多く、エレガントな雰囲気たっぷりです。家具の脚にはS字状のカーブを付けたものを多用し、ソファや椅子、ベッドにはベルベットや織り模様の美しい布が張られています。
これらの家具は、シリックの発祥地であるイタリアで加工されており、熟練の職人が地元の材料を使って製造を続けています。金箔張りや銀箔張りなど、手間と技を惜しまずに丁寧に仕上げられていることには、技術者たちの高い意識を感じさせられますね。
デコラティブなシリックの家具は、ハイクラスの生活を求めるセレブなどに人気があるだけではなく、式場やラグジュアリーホテル、別荘のインテリアなど非日常を味わうシーンにもぴったりです。
ロココ調の家具をお探しの方には、まずチェックしていただきたいブランドと言えるでしょう。
サルタレッリモビリ
サルタレッリモビリはシリックと同じくイタリアのロココ調家具ブランドですが、シリックより控えめなデザインが特徴です。心を幸せにするサロンライクな家具をテーマに、デザイン、制作をしているサルタレッリモビリは、ライフスタイルそのものを作り上げることを一つの目標としています。
そんなサルタレッリモビリの家具の彫刻やイラストの繊細さは、クラフトマンシップによるもの。一つひとつ、熟練の職人が手作業で仕上げをしており、丁寧な仕立てにほれぼれとします。
彫刻やイラストも比較的シックに仕上がっているので、ロココ調にしたいけどゴテゴテしすぎるのは苦手、という方にぴったりの家具ブランドだと思いますよ。フェミニンな中にもすっきりとした印象があり、性別を問わず受け入れやすいロココ調家具です。
また、家具の仕上げを選べるコレクションがあるのもサリタレッリモビリの特徴の一つ。ペイントで仕上げてエレガントに、ウォルナットを見せる仕上げでクラシックに、などといくつかのパターンを選べます。仕上げ次第で全く印象が異なるのが家具のおもしろいところですよね。
他にも、クラシカルなデザインを残しつつ、現代的にアレンジをしたコレクションラインも充実しています。より装飾を控えめにしたコンテンポラリーデザインは、大げさすぎず今のインテリアにも取り入れやすくなっています。
ロココ調を満喫したい人にも、ちょっとずつ取り入れてみたい人にも嬉しい家具ブランドですよ。
マリオコルチャゴ(フラテリオリッジ)
マリオコルチャゴはイタリアで200年以上の歴史を誇るロココ調の高級家具メーカーです。現在は版権をフラテリオリッジに継承し、廃業をしています。
老舗のロココ調家具メーカーのデザインなだけあって、細部にまで優雅な加工が施されているのが特徴です。例えば、ソファフレームの座面を支える部分にまで細かな彫刻がされていたり、家具の壁面に描かれるイラストの精密さは他では味わえないデザインです。家具の端々までデザインをしつくした本格的なロココ調家具と言えるブランドですよ。
そんなマリオコルチャゴの家具は、ペイントを施した家具だけでなく、木の味わいを残したコレクションも多いのがポイントです。ロココ調の中でも落ち着きのあるデザインの家具が多数あるので、華美なデザインながらロココ調家具の初心者でも比較的チャレンジしやすいかもしれません。
現在はフラテリオリッジで同じモデルの家具を買うことができますが、ロココ様式の愛好家の中ではマリオコルチャゴオリジナルのアイテムを求める人も多いのだとか。マリオコルチャゴは2008年に廃業しているため、中古の家具の市場が熱くなっています。
松永工房 カンティーニュ
意外に思われるかもしれませんが、実は日本の家具メーカーでもロココ調のデザインを生産しています。その代表的なメーカーの一つが松永工房です。このメーカーのカンティーニュというコレクションは、控えめながらロココ様式のデザインを取り入れていますよ。落ち着いたデザインの中にロココ調のニュアンスを漂わせているシリーズで、クラシカルな雰囲気が上品です。
カンティーニュの家具の多くは、木目を見せる仕上げと、白や黒にペイントする仕上げになっています。木目の仕上げだと、ロココ調の要素はほんのりとしている程度で、今のインテリアに取り入れやすいのがポイントです。ロココ調の家具をインテリアに加えたいけれど、主張しすぎるのは苦手、という方にぴったりです。ペイント仕上げだとぐっとロココ調の雰囲気が出てきますが、装飾は控えめなのでトライしやすい印象ですよ。軽やかにロココ調の家具を取り入れたい方向きです。
これまでに紹介してきたブランドと異なるのは、彫刻のデザインがほぼ無いということ。家具全体の緩やかなカーブを描く形状が、ロココ調の優美さを出しています。あとは選ぶカラーによって雰囲気を変えられるのも良いですね。
生活にひとさじ優雅さをプラスしたい、という時に選ぶとちょうど良いブランドです。今のインテリアとの相性を気にすることなく取り入れられるのも嬉しいポイントですね。
カリモクドマーニのコレクション「ルイ」
日本の家具ブランドでも、より本格的なロココ調家具を楽しめるのが、カリモクドマーニのルイコレクション。現在は残念ながら生産終了となってしまいましたが、中古市場で買い求めることが可能です。
ルイの特徴は、日本の家具メーカーながらロココ調のデザインをしっかり落とし込んでいることです。S字カーブのソファーやテーブルの脚、美しい彫刻を施したキャビネットなど、要所を抑えたデザインに作られています。ヨーロッパのロココ調家具と比較すると表現が控えめではありますが、日本のインテリアにも違和感なく馴染むことがポイントですよ。それでいてエレガントな印象があるので、上質感のある部屋作りにはぴったりです。
また、ソファや椅子などは豪華な張地を使用していることにも注目です。織り模様が美しく、家具をよりゴージャスな雰囲気に引き立ててくれています。この張地の豪華さはルイのトレードマークと言っても良いかもしれません。
ルイの多くのアイテムは、木材にペイントをしていないのでそのままの味わいを感じることができます。木材の落ち着いた雰囲気が、ロココ調の華やかなデザインを日本の家屋に落とし込む重要な役割を果たしていますよ。もちろん、ペイントを施した家具もあるので、好みのさじ加減ができるのも嬉しいですね。
今のインテリアの雰囲気を保ちつつ、ロココ調の家具を楽しんでみたいという方は、是非カリモクドマーニのルイシリーズをチェックしてみてくださいね。
ノバパルク
ノバパルクはシリックやマリオコルチャゴと並ぶイタリアの高級ロココ調家具ブランドです。非常に繊細な装飾細工が特徴的で、多くの装飾を施しながらも上品な印象のデザインですよ。この細やかな装飾はより本来のロココ調デザインに近いものであり、植物や貝殻のモチーフの彫刻や、金箔張り、象嵌などの最高峰の細工も見どころです。全体に装飾やイラストの線が細く、繊細な表情を持っています。
ノバパルクの家具は、ロココ調デザインが映えるホワイトカラーをベースにしたシリーズと、木味を活かしたブラウン系のシリーズが展開されています。ブラウン系のシリーズはアンティークのような印象で落ち着きがあるため、インテリアに取り入れやすいのがポイント。ホワイトベースのシリーズは装飾やイラストが鮮やかに映えロココ調の雰囲気を存分に楽しむことができますよ。
どちらのシリーズもラグジュアリー感と非日常感があるため、ご自宅用だけでなく、ブライダルシーンやアパレルショップ、ホテルのインテリアなどとしてもぴったりですね。エレガントで上品なノバパルクの家具は、様々なシーンで活躍が見込めます。
ノバパルクの家具は、現在残念ながら新品の販売はされていません。ノバパルクは中古品が販売されているのみであり、さらに日本での流通が少ないことも重なって希少価値が高くなっています。ノバパルクの家具をインテリアに取り入れたい場合は、見つけたときにすぐにおさえておく必要があるかもしれません。
キャメルグループ レオナルド
キャメルグループとは、イタリアの高級家具メーカーです。キャメルグループは、様々な美意識に寄り添う家具を提案するために、あえてジャンルを一つに絞り込んでいません。クラシカルなデザインやモダンなデザインなど、様々な家具を取り揃えているメーカーですが、その中でロココ調デザインを落とし込んだコレクションが「レオナルド」シリーズです。
アイボリーの艶やかなパネルを使用した家具には、ゴールドの装飾が施されており、ゴージャスな佇まいが特徴的。装飾の色をあえて金色のみに絞り込んだことで、華やかな中にも気品を感じるコレクションに仕上がっています。色数を抑えた大人っぽいロココ調スタイルですね。
レオナルドシリーズでは、ソファやベッド、テーブルにキャビネットなど家具の多くを取り揃えているので、部屋に必要なもの一式を揃えられるのも魅力の一つです。例えば、新居などに統一感のあるロココ調家具を揃えたい、というような場合にもぴったりのコレクションですよ。
キャメルグループの家具は顧客の要望に応えるべく、リサーチをし続け新たなデザインを発信しています。また、徹底した品質管理のもと製造が行われており、安心して家具を使用できるのも嬉しいですね。そんなキャメルグループのレオナルドシリーズは、もちろんハイクオリティ。ロココ調デザインのゴージャスさだけではなく、品質の良さも魅力の一つになっています。
ロココ調家具の中でも、ゴージャスさをお求めの方にぴったりのコレクションですよ。
イタリア コルニチ
イタリア コルニチとは、イタリアの高級家具メーカーであり、デザインから製造まで一貫してイタリアで行っているのが特徴です。正確にはロココ調とは異なりバロック調のデザインとなっていますが、ロココ調のインテリアとも相性が良く、ワンポイントとして取り入れると豪華さがアップしますよ。
イタリア コルニチで作られる家具は、どれも煌びやかでデザイナーと職人の熱意を感じられるデザインになっています。家具のほとんどは金色の塗装が施されており、描かれるイラストは人物画が多いのも特徴的。神話や歴史的な事象を題材にしたイラストが多いのも、バロック様式らしいですね。どれを見てもかなり豪勢なデザインなので、一点投入するだけでインテリアが華やかな雰囲気になると思いますよ。
イタリア コルニチの家具はキャビネットやコンソールテーブル、ワゴンなどの他、鏡や絵画などのアクセサリーなども揃っています。取り扱いアイテムに偏りがあるので、このブランドで家具の全てを揃えるのは難しいかもしれません。ブランド自体も、一点投入型の家具として意識があるのかもしれませんね。
ロココ様式は、バロック様式のすぐ後に生まれた世界観です。ロココ調のデザインはバロック様式のような極端な煌びやかさや左右対象性から離れ、柔らかく自由な発想で生み出されています。しかし、前後関係のあるデザイン様式なので、比較的すんなりとマッチするのがおもしろいですね。
ロココ調で全て揃えるのも良いですが、こんな鮮やかな家具を一点取り入れてスパイスにするのも良いかもしれません。
ロココ調アンティーク家具
少し視点を変えてみましょう。ブランドに捕らわれることが無ければ、アンティークやヴィンテージの家具の中には、ロココ調のデザインのものが多く見つかります。新品のものとは異なる趣きがあり、どれも一点物の価値がありますので、こちらも見逃してはいけません。
アンティーク、ヴィンテージのロココ調家具の多くは、これまで紹介したブランドと比較すると、装飾は控えめであったり、ペイントがされていないデザインを多く見ることができます。「ロココ調のデザインをインテリアに取り入れたいけど、あまりに華美なのはちょっと…」という方こそ、アンティークの家具はおすすめですよ。控えめなものが多いとはいえ、しっかりとロココ調のデザインのものもお手頃に買えることがありますので、少しでもお財布に優しい家具が欲しい方も注目です。
アンティーク家具の良いところは、大切に取り扱われた良品であるということです。アンティークやヴィンテージとして使える家具として残っているということは、その家具は頑丈に作られていることの証明になります。また、使い込まれたアンティーク家具には味わい深い艶が出ているものが多く、ロココ調デザインに華を添えてくれることでしょう。
ロココ調家具の中でも落ち着きがあり、控えめなデザインがお好みの方は、アンティーク、ヴィンテージの家具も選択の一つに入れてみても良いかもしれません。
今回はロココ調高級家具ブランドのご紹介をしましたが、いかがでしたでしょうか。
ロココ調と言ってもブランドによって雰囲気や色遣いなど、だいぶ印象が変わることがお分かりいただけたかと思います。現在は中古市場でしか手に入らないレアなブランドもあり、現在展開中のブランドとともに目が離せませんね。
是非ロココ調ブランド家具を今のインテリアや、ブライダル、ホテル、アパレル店舗などに取り入れて、非日常感を演出してみてくださいね。