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コラム

名作揃いの松本民芸家具の椅子。人気のデザインまとめ

松本民芸家具とは、長野県松本市の老舗家具メーカーです。和洋が融合した独特のスタイルが人気のブランドで、特に椅子に関しては力を入れています。イギリス人陶芸家のバーナード・リーチ氏によって制作指導を受けたウィンザーチェアを初めとする数々の名作を世に送り出しているのが松本民芸家具です。一方で、椅子の種類が多く、目的の椅子の探し方に戸惑われる方も多いかと思います。そこで今回は、松本民芸家具の椅子の種類や特徴についてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

ウィンザーチェア

コムバックチェア・ボウバックチェア

まずは、ウィンザーチェアの中でもコムバックチェア、ボウバックチェアについてご説明いたします。
72型リーチチェアは、リーチ氏が指導して作られた椅子と言われています。曲木の技術を活かした背面の美しさもそうですが、注目はバイオリン型の座面です。ちょうどお尻のくぼみに合うように滑らかに加工されており、芸術的な美しさが魅力的です。
続いて、アーチバックアームチェアを見てみましょう。ぐっと背もたれが高くなり、より安定感のある座り心地です。曲木をアーム部分まで伸ばし、ゆったりと座ることができますよ。また、アームを支える部分と脚の装飾にも注目。よりエレガントなデザインを楽しめます。
変わって、220F型チェアは非常にシンプルでやや直線的なイメージの椅子です。背もたれの笠木にアールを付けてほんのりと個性を出しています。また、H型の貫以外に左右に一本ずつ貫を入れいることにも注目。シンプルに見えて、あちこちにこだわりを感じる一脚です。
伝統的なコムバックチェアを彷彿とさせるのが、スティックバックチェア。笠木から伸びるスティックは非常に繊細なカーブを描いています。一見すると一般的なコムバックチェアですが、良く見てみると脚やアーム部分に細やかな装飾が施されているのが分かります。この細やかなデザインは松本民芸家具の手作業ならではです。

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ダブルボウバックチェア

二つの弓を組み合わせたようなデザインが特徴的なダブルボウバックチェアについても解説していきましょう。
まず、#44A型ウインザーチェアはややデコラティブな印象を受けるデザインの椅子です。背もたれの中心には透かし彫りの装飾を施した背板をあてがい、脚部、アームの支柱にも挽き物で加工された装飾が見られます。肘をかけてゆったりと座れる椅子で、美しいインテリアとしても価値ある一脚です。
同じダブルボウバックチェアでもガラリと雰囲気が変わるのが、#509C型ウインザーチェア。アーム部分がシャープに尖ったデザインでモダンな印象です。全体にシンプルなデザインですが、脚の前側と貫部分のみに挽き物加工をしているのがポイント。すっきりとした中にも遊び心を感じる一脚です。
ペンシルバニアウィンザーチェアは、まるで木製の楽器を思わせるようなユニークな形状をしています。笠木にはバイオリンのような装飾とカーブが用いられ、背もたれからアームに続く部分も段階的に削り取った装飾があります。芸術的な椅子をお探しの方にぴったりですね。
大胆なデザインが目を惹くのがボウバックウィンザーチェア。大抵のウィンザーチェアはスティックが座面に刺さっているものですが、こちらはアーム代わりの2本目のボウまでしかありません。座面まで到達するのは真ん中の装飾を施された背板一つとなっています。アーム部分は挽き物を施した背部分とは分離した太めのスピンドルで支えられており、こんな形のウィンザーチェアもあるんだと感心させられますね。

キャプテンチェア・スピンドルチェア

キャプテンチェアと言えば、背もたれが低めに作られたウィンザーチェアで、笠木部分が大きく伸びアームとして機能している椅子です。そんなキャプテンチェアを松本民芸家具で作るとこんなデザインに。
大キャプテンチェアは、「キャプテン」という言葉に相応しい堂々たる風格が魅力的です。背もたれの真ん中には丸い威厳を感じる装飾が。腰を安定させる働きも期待できますね。脚も太さのあるがっしりとしたものを採用しています。抜きの部分はH型に横棒を1本追加したデザインで、安定感がありますよ。
変わって#91型キャプテンチェアは比較的シンプルなデザインです。笠木から伸びるスティックに挽き物の装飾はなく、すっきりとした印象ですね。ただし、アームの支柱と脚には挽き物加工を施して、あっさりとした中にも程よいデザイン性を持たせています。
スピンドルチェアは挽き物のデザインを大いに楽しめるウィンザーチェアですよね。
#16型スピンドルチェアは、絶妙なバランスの挽き物が美しい椅子です。背もたれ部分の挽き物は下方に集中させ、上部には軽い絞りを入れるにとどめています。こうすることによって、デザインがくどくならず、なおかつ上品でおしゃれな印象に仕上がっているというわけです。
より華奢な印象のSP型スピンドルチェアは細かな細工を楽しめる一脚です。笠木から伸びるスティックは上下を細く仕上げ、中心部分に挽き物の装飾を施しています。左右両端のスティックのみデザインを変えているのも流石ですね。

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その他のウィンザーチェア

松本民芸家具では、その他にも個性的なウィンザーチェアを生み出しています。
例えば、猫脚ウィンザーチェアはその名の通り前側の脚を猫の脚のようなデザインにした優美な印象の椅子です。しなやかなカーブのかかった前脚に対して、アーム部分はキリっとシャープにできているのでメリハリがあるのも絶妙ですね。また背もたれ中心のデザインも細やかな装飾がされており、全体で見て芸術作品のような美しさが魅力的です。
ドランカーズチェアはどっしりとした風格のあるウィンザーチェアです。座面が広く、脚も外側に向かって張り出すように作られています。まさにお酒を嗜むときに安心して座れるような設計で、ゆったりとした座り心地を楽しめますよ。
これまで紹介したウィンザーチェアとはだいぶデザインが異なるのが、B型ワイコムチェア。笠木から縦のスティックは伸びておらず、代わりに横向きに背当てが一つ付いているだけという、実にシンプルな構造になっています。さっぱりとしたモデルですが、脚には挽き物の加工が施されており、さりげなく装飾性を出しています。他のウィンザーチェアと比較してシンプルなので、優しい存在感が嬉しい一脚です。
子供用ウィンザーチェアは、その名の通り小さなお子様用のウィンザーチェアです。子供用、といってもそのデザインは普通のウィンザーチェアに引けを取りません。背もたれ中心のデザイン、アームの支柱の挽き物、脚の挽き物などを見ると、松本民芸家具のこだわりを感じずにはいられません。また、子供用ということで脚がぶらつかないように足置きが設置されているのも親切ですね。

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ラッシチェア

ラッシチェアとは、フトイという水草の一種を数本束ねて撚りながら編んで作る座面を持つ椅子です。手作業でしっかりと編み込まれているため、頑丈で程よいクッション性もあるのが特徴ですよ。そんな松本民芸家具のラッシチェアをご紹介しますね。
ラダーハイバックチェアは、背もたれが梯子状にデザインされたラッシチェアです。背面が高く、座ったときにしっかりと背中を支えてくれるのが特徴ですよ。アームの支柱がそのまま脚になっており、しっかりとした安定感があります。一見シンプルですが、アームの支柱上部や貫に挽き物の加工を施しており、程よい装飾を楽しめる椅子です。
#38型スピンドルチェアは背もたれに糸巻状のスティックを2段に分けて取り付けた華やかさのあるラッシチェアです。前側の脚も挽き物とカーブを付けた凝ったデザインになっています。アームレスタイプで、横からサッと座れるのも魅力の一つです。
背もたれにもフトイを採用しているのが、#520L型ラッシチェアです。座面、背もたれのどちらにも、編み物らしい程よいクッション性があり、ラクな座り心地です。編み物の使い心地とデザイン性を最優先したこのチェアは、フレーム部分の装飾はほぼないシンプルさ。しかし、がっしりと支えてくれる重厚感があります。
#512型寝椅子は、長椅子タイプのデザインのラッシチェアです。背もたれの角度を変えることができ、フラットにするとベンチとしても使える特徴があります。座面、背もたれともに編み物でできているので、その心地良さを全身で体感できるリラックス感のある寝椅子です。

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ロッキングチェア

松本民芸家具ではロッキングチェアも多く作っています。そんな中でも選りすぐりの4脚をご紹介しますね。
W型ロッキングチェアはダブルボウタイプのロッキングチェアです。曲線の美しさと対照的な直線のスティックが優雅な雰囲気を醸し出しています。背もたれ中央の背板の装飾も艶やかで置いておくだけでも様になるロッキングチェアですよ。
一方のコームバックロッキングチェアは、シンプルなデザインが魅力の一脚。笠木から伸びるスティックが安定感のある座り心地を約束します。シンプルな中にも、アームの支柱や脚、貫には挽き物の加工を取り入れ、程よい存在感のある一脚に仕上げています。
G-Ⅱ型ロッキングチェアは全体に曲線的なデザインで、優しい表情が魅力です。笠木にカーブが付いているだけでなく、そこから伸びるスティックにも丸みを持たせているので、座ると包み込まれるような安心感があります。デザインは無駄がなく、飽きることなく使い続けることができそうです。
#51B型ロッキングチェアは、これまで紹介してきたロッキングチェアと比較するとコンパクトなつくりになっているのが特徴です。背もたれもやや低めの設計で、部屋に置いたときに圧迫感が少ないので気軽にレイアウトできるデザインになっています。小ぶりながら腕を置いたときにリラックスできるようアームにカーブを付けたり、脚の上下を絞ったりと、細かなデザイン性にも注目です。

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その他の椅子・スツール

その他にも、松本民芸家具には魅力的な椅子がいくつもあります。
例えば、#305型布張り椅子は座面にクッションがついているため、優しい座り心地が特徴の椅子です。背もたれのスティックに挽き物を施しており、優雅な印象がありますね。また、アームから伸びる前側の脚にもカーブがかかっており、直線と曲線の程よいバランスをみることができますよ。リビングに置けば、一気に華やかさがアップする一脚です。
変わって、シンプルさと装飾性のどちらも持ち合わせているのが、南京小椅子です。笠木一つに支柱だけの背もたれ、円形の座面…これまで見てきた松本民芸家具の椅子とはガラリと雰囲気が変わります。しかし、背もたれの支柱や四本の脚には挽物の加工があり、シンプルだけでは終わらないのが松本民芸家具らしいですね。ちょこっと掛け用に、こんなおしゃれな椅子はいかがでしょうか。
#19型ラッシスツールは、座面にフトイの編み物を使用したスツールです。背もたれが無く、全方向から座れるデザインなので、気軽に腰かけられるのが便利ですね。座面は程よくクッション性があり、使い込むほどにあめ色に変色していくので、経年変化を楽しめるスツールですよ。
T型三脚スツールはシンプルを極めたスツールです。椅子の脚が足にぶつかりにくい3本脚で、座りやすさも申し分ありません。脚部分に節のような削りを入れていることで、シンプルだけでは終わらない作品に仕上がっています。またT字の貫きを入れて、頑丈なつくりになっているのも魅力的です。

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ベンチ

最後にご紹介するのが、ベンチです。松本民芸家具らしい個性あふれるベンチがありますので、どうぞご覧ください。
#513型長ウインザーチェアは、ウィンザーチェアをぐっと幅広にしたベンチです。ダブルボウバックを2人掛けにしたデザインで、座面のお尻に合わせたくぼみもきちんと2つ作られています。ベンチサイズになると圧迫感を感じがちですが、背もたれがスティック状のウィンザーチェアなら抜け感があり、美しくコーディネートできることでしょう。
続いては#77型曲肘ラッシチェアをご紹介します。ラッシチェアらしくクッション性のある座り心地が特徴の一台です。フレームの木材はしっかりとした安定感のあるデザインに。それでいてアームや脚は比較的華奢に作られているので、重さを感じすぎないのが使いやすいポイントです。
少し変わったベンチなら、羽根付ベンチがありますよ。全てを木材のみで仕上げたベンチで、チャーチベンチを彷彿とします。足元に収納があるのも珍しいデザインです。もっとも特徴的なのが、アームに羽根板が付いていること。必要に応じて羽根を持ち上げることで、ちょっとした物置きとして使えます。飲み物を置いたり、本を置いたりと、何かと重宝しそうですよね。
ST型布張椅子は前項で紹介した#305型布張り椅子のベンチバージョンです。ゆったりした幅広なベンチと、座面のクッションでリラックス感があるのが特徴です。どこかレトロな雰囲気があり、#305型布張り椅子とセットで使えば美しく優雅なコーディネートが叶いそうです。

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おわりに

ここまで松本民芸家具の椅子にスポットを当ててご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。たくさんある松本民芸家具の椅子ですが、中でも特徴的なアイテムたちを取り上げてみました。
松本民芸家具の裏には職人の刻印(銘)が刻まれているものが多くあります。デザインを楽しむのと同時に、家具に込められたストーリーをその刻印(銘)から想像するのも素敵なものです。
松本民芸家具は他にも多くの椅子を作り出しています。当店でも豊富に取り扱っていますので、下記リンクから是非ご覧になってくださいね。

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