こんにちは!
日の光にも少しずつ温かさを感じ始め、厳しかった茨城の冬にもようやく春がやって来たと感じられるようになってきました。
暖かくなってくると気分も上がってきますね!!ということで、どうも!このブログをご覧いただいてありがとうございます!!
このブログでは、お客様から毎日沢山のオーダー・リメイク家具をご注文頂き、製作している中でこれは面白い!と感じた家具のBEST5を1シーズン(四半期)ごとにランキング形式で発表していきます!
ここで発表されるのは全て、お客様の細かいこだわりとご要望から誕生した世界に一つだけのメイド・イン・ラフジュ工房家具です!
リメイク家具のBefore・Afterや、ラフジュ工房で出来るこんなリメイク、あんなオーダーなどなど家具を作るご参考にも!現代によみがえった堂々たるアンティーク家具達の姿をご覧ください!
では早速発表しましょう!
目次
第5位 時代箪笥の古金具を使ったフラップダウン扉のテレビ台
ラフジュ工房でリペアが出来る状態ではないと判断して廃棄となってしまった時代箪笥は、金具を取り外して大切に保管しています。
そんな時代箪笥の金具を利用して作った、オーダーメイドのテレビ台です。
金具以外はラフジュ工房で製作した新品のオーダー家具になります。ではでは、お客様のこだわりの詰まったテレビ台を見て行きましょう。
本体サイズ:高さ537mm/幅941mm/奥行529mm
こちらも全て、お客様のご指示通りに制作しています。テレビなど、重たい物もへっちゃらな檜(ヒノキ)の無垢材天板に、スクッと立ち上がったようなスタイリッシュな木脚。
時代箪笥の金具を使った「和」の表情をしながらもフローリングの洋室でも使える使いやすい一品ですね!
こだわりのポイントとして、この天板の「丸み」です!
本体は角のあるデザインを基調とした四角いシルエットが魅力ですが、天板はつるっと滑らかな丸みを重視したデザインになっています。
これなら小さなお子さんが「手でつかまったり」うっかり角に当たってしまっても安心ですね!
お客様の優しさが感じられるデザインになっています。
では、フラップダウンの収納扉を開けてみましょう!…パカッ。
一杯の大きな引き出しではなく、内部が棚になっています。ご要望によって、棚板は中央と、その50mm上に棚受けを付けているので二段階に高さを調整ができます!
後ろには中に入れるレコーダーなどの電化製品のコードを外へ逃がすコード穴と、棚上からでもコードを通せる余裕のあるくぼみも作りました。
では最後に後ろ姿です。
ちなみに色味はお客様のご自宅の家具に合わせた色味で着色しました。
これからどんなお家で大切に使ってもらえるのだろうか、製作したスタッフもこの家具も胸が膨らみますね!
第4位 明治期の長持をお客様のご要望仕様に徹底リペア
Before
長持といえば、大きな箱状の家具ですね!
押入れという物が家に備え付けとしてまだ無かった時代、ここに布団や季節の衣類なんかを収納していた家具です。
人が二人余裕で入れるくらいに巨大です。一体お客様はどのように長持をリメイクして使うのでしょうか…⁉
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After
んんん…⁉逆に質問です、どこが変わったんですかー!(笑)強いて言うなら高品質リペアによって見た目が綺麗になったくらい…?
ちょーっと待った!!この長持が変わったのは見た目ではなく機能なのです!!
では、お客様のご要望によってどこが変わったのか⁉生まれ変わったリメイク長持の各部分を見ていきましょう!
ではまず、クルっと裏側に注目!キャスターが6つ付いています!
長持の難点として、そのサイズの大きさから来る移動のしにくさ!!お客様は現代で使う長持として、キャスターを取り付ける事により機能性ある「移動する長持」として考えられていたわけですね!
これぞある意味時代に合わせて変化したナイスリメイクアイデア!
透明の綺麗な車輪のキャスター。
これがなかなかよく回りまして、完成した「キャスター長持」を広い工房で押してみたところシャーーーっと思ったよりも勢いよく滑っていき壁に当たるギリギリでなんとか食い止めて冷や汗をかきました。スムーズな性能はバッチリ体験済です。
パカっと…次は内部を見ていきましょう!
内部はこれと言って特別な仕様は見当たりませんが…蓋と本体の繋ぎ目に注目!!!
蓋が勢いよくバターン!!と閉まるのを防止する「蓋ステー」を取り付けています!
長持の蓋はただ蝶番で取り付けられているだけなので、この大きな蓋を頻繁に開け閉めして使う事を想像すると確かに使い辛い。
「蓋ステー」の存在により、手を離した状態でも自重でゆっくり閉まってくれます。文字でその様子を表現したら「スゥー… ……… パタン。(閉)」てな感じです。
キャスターを取り付けた事によって、中に沢山物を入れた時に底面が変形しないのか⁉
そんな対策もバッチリです!底には厚さ24mmの分厚い檜(ヒノキ)の無垢材をしっかり一面に取り付けているので安心です!
ん?隅っこに丸い穴にような物がみえますね。
こちらの長持にもお客様のご要望によりコードを通す穴が開けられています!
さぁ、お客様はこの長持に「キャスター」「蓋ステー」「底板補強」「コード穴」を取り付けどの様に使うのでしょうか?
以上、4位を飾ったのはこちらのリメイク長持でしたー!!
ちなみに、こちらの長持ちはオフィスで中にコピー機を入れて使うそうですよ!なるほど、そのための色々なリペアだったんですね。
長持の大きな容量をうまく利用して、オフィスの世界観を崩さないように機材を見えにくくするというアイデア!素晴らしいですね!!
きっと素敵なオフィスで今頃活躍しているのでしょうね!どんな風に活躍しているのか、その後をとても見てみたいです!
第3位 御簾戸(みすど)を上下に一刀両断⁉ こんな事も出来ちゃうリメイク御簾戸
Before
御簾戸(みすど)とは簾(すだれ)をはめ込んだ建具のことで、「夏障子」「葦戸(よしど)」「葭障子(よししょうじ)」とも呼びます。ミスタードーナツではありません。
衣類の衣替えと同様、六月になると障子や襖(ふすま)のかわりに取り替えて、暮らしを夏向きに整えます。簾が日差しを遮りながら、涼しい風を通してくれる風情ある建具ですね!
今回はこの御簾戸をどうリメイクするのかというと……
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After
中心から一刀両断!!!!
4枚1組の御簾戸を背の低い2セットの御簾戸としてリメイクしたわけですね!!
お客様のこのアイデアには我々工房スタッフもビックリ仰天です!
After
上下どちらの御簾戸にも、中央の高さに新品の引手を取り付けています!
After
カットして、框が無い辺は新材を用いて框を取り付けてあります。古い建具に新材を合わせていますが違和感なく仕上がっていますね!
Before
最後は色の仕上がりをよく見てみましょう!
リメイクする前は、このように杉材の面白い木目を活かした自然な色の御簾戸でした。
外からの逆光によって浮き出る縁起のいい梅と松のシルエットがいいですね!
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After
お客様はラフジュ工房のホームページから、他のsteam商品建具の色を参考にして赤みの強い上品な茶色で仕上げるようにとご要望頂きました。
色で雰囲気が変わる事で使われるシチュエーションのイメージもまた変わりますね!
このリメイクされた御簾戸はどのようなお部屋に使われるのでしょうね!横長の窓の内側の建具や、書院戸のように使われるのでしょうか?
古いアンティーク建具を、お客様のお家の間口に合わせてリサイズすることはよくある事ですが、上下を分割するというのは初めてです!
お客様の「こうやって使いたい」というアイデアあってこそ実現したリメイク御簾戸ですね!
第2位 大型ガラスケースを素朴な木味を活かしたストリップド(剥離)へ!
Before
すっきりとしたデザインのドシッと存在感のあるとても大きなガラスケース。
今回はこちらのクラシカルなガラスケースに何か機能をプラスするというオーダーでは無く、ラフジュ工房でお馴染みのストリップド(剥離)した姿へとリメイクしていきます!!
では、着色された塗料を剥離している作業をちょっと覗き見。
いつも剥離を行っている家具よりもはるかに背の高いガラスケースなので、作業は困難を極めました…!
強い薬品を使って何回も着色塗料を浮かしては、隅々まで洗い流す大変な作業の末、仕上がったのがこちらです!!
After
じゃん!!!
クラシカルで重みある色の下に隠れていたのは、素朴な色が魅力的な素敵なガラスケースでした!!
色を剥離することにより、雰囲気が軽くなってより親しみやすい印象に変わりましたね。
では、もっと近くで剥離前・剥離後の姿を見比べていきましょう!
Before
パカっと扉をオープン!
上部にはポールが付いており商品の衣服が沢山掛けられるようになっていますね。
元々のガラスケースだと、陳列される服のイメージはブランド物のお高いコートやピシッとしたスーツなんかが映えそうな感じでしたね!
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After
ストリップド後のガラスケースではどうでしょう!
雰囲気が軽くなり、カジュアルでシンプルな服がとても映えそうなガラスケースになりましたね!
デザインがシンプルゆえに色合いでここまで使えるシチュエーションも変わって見えるんですね!
Before
ガラスケースの下にあたる棚と底面にはセレクトされたハイヒールや艶の輝く革靴など、大人のアイテムが並んでいる敷居の高そうな雰囲気でしたね。
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After
ストリップドした棚の上にはお洒落な雑貨小物や可愛い靴が並んでいるのが目に浮かびます!
Before
大きなガラス扉のつまみ部分を近くで見てみましょう!
鍵先の当たる鍵穴付近は色が剥がれてかなり使い込まれた雰囲気が出てはいましたが…
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After
ストリップドした塗膜の下からは傷の無い綺麗な表面が現れました!
きっと元々塗られていた塗膜が小さな傷などから内部の木材が守っていたんでしょうね。
今回の「剥離」するというリメイク案件はいかがでしたでしょうか!
家具の機能的部分ではなく、剥離する事により塗膜の下に隠れたもう一つの姿を活かしたリメイクオーダー。素晴らしい出来栄えでしたね!
リメイクには機能や形を変えるだけでなく、「ストリップド(剥離)」「着色」「ペイント」を行う事でまた全然違った表情に変えることだって出来るのです。
オーダーの際に、もしもお部屋やお店にはどんなリメイク家具がいいのか迷ってしまっても、経験豊富なラフジュ工房スタッフがご相談に乗りますのでご心配いりませんよ。
第1位 箪笥の金具を使って本体は新規製作⁉ご要望サイズにリサイズした仙台箪笥‼
Before
さて、今シーズン堂々の1位に輝いたリメイク案件!発表していきましょうか!!
こちらに写っているのは、お客様よりご要望頂いた仙台箪笥の画像です。
お客様は、この箪笥の金具をとても気に入られたようです。お目が高いです!!確かに、仙台箪笥の中でもなかなか出会えないかなり素晴らしい上物の箪笥です。
…しかし、このサイズでは大きすぎるので、この箪笥を小さくできないかと。
つまり、お客様のご要望を簡単に言うとこうです。「この金具を残したまま、箪笥をそのまま小さくリサイズして欲しい。」というご要望でした!!
この上等な仙台箪笥を小さくリサイズするなんてご要望、もう、ドラえもんに頼るしかありません…!!(泣)
しかし、ラフジュ工房はドラえもんには頼りません。この仙台箪笥はこうなったのです!!!!
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After
リサイズ前サイズ 高さ:930mm 幅:1170mm 奥行:540mmから
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完成後 高さ:960mm幅:880mm奥行:410mm になりました!!
さ、さっきの仙台箪笥が確かに小さくなってる!!!!?
スモールライトを使わない限り、物理的にあの仙台箪笥をご要望通り小さくリサイズするなんて不可能なはずなのに!!
どどど、どうやって完成まで仕上がったんでしょうか……⁉
では、この箪笥がどのようにして完成したのかご説明いたしましょう。
この箪笥は、本体は全てラフジュ工房でご要望サイズに新規製作し、金具は全て元の仙台箪笥から取り外して取り付けた「リメイク・リサイズ・新規製作」というラフジュ工房に出来る全ての技術から誕生したリサイズ仙台箪笥なのです!!
しかし、ご要望をラフジュ工房で叶えるにあたり、完全に元の箪笥と同じ材質ということは出来ませんでした。
元の箪笥の前板は全て「ケヤキ」が使われていましたが、ラフジュ工房でご要望サイズに新規製作するにあたり、前板だけは「栗」という違う種類の樫木にしなければなりませんでした。
それでもお客様の気持ちとして、「材質よりも金具を活かしたい」という強いご要望があったので完成することが出来たのです!
しかし、材質を変えた事でメリットもあります!
引き出しは、本来の物だと全て「杉」で出来ていましたが、新規製作したものは「桐」にした事で、内部は以前よりもより防湿、防虫に優れた仕様になりました!
お客様の「惚れた」金具を存分に活かして、生まれ変わった仙台箪笥。ラフジュ工房はお客様の熱いご要望ならここまで出来てしまいます!
もちろん、一段ずつ別々に使う事も出来ます!
動く金具は全て飾りではありません!両サイドに付いた「竿通し」もしっかりと機能します。
最後の画像はお客様の惚れ込んだ金具のアップで締めにしましょう!!
この仙台箪笥が完成するまでに、金具のサイズはそのままに、いかにご要望サイズで違和感のない縮尺に仕上がるか時間をかけて沢山計算しました。
元の箪笥の硬いケヤキに付けられた金具を傷つけないよう一つ一つ丁寧に取り外し、磨いて美しく染め直し、また新しい本体へ。
完成までに沢山の時間と多くのスタッフの手によって完成した最高の出来栄えの仙台箪笥。お客様も最高に喜んで下さいました!
最後に
2017年春のBEST5はいかがでしたでしょうか!!
オーダーで新規製作をしたり、お客様のアイデアに驚かされながらもそれによって新しいリメイク家具が誕生したりとラフジュ工房では毎日様々な家具が製作されています!
役目を終えてしまい古家具となってしまった物でも、それを見つけたお客様の数だけ誕生する多種多様なリメイク家具にこれからも目が離せませんね!
次回の2017年夏のBEST5もお楽しみに!!