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ANTIQUEFURNITURE RAFUJU STUDIO MAGAZINE

隠れた魅力がたくさん。アンティーク桐箪笥に見る桐材の特徴と歴史

先日「アンティーク家具のカビ対策」についてご紹介しましたが、梅雨や夏の蒸し暑い季節は特に、敵になってしまうのが湿気の存在。

「こんな "湿気大国" なのに、昔の人々はどうやって夏を越してたんだろう...」と、うちわでパタパタ仰いでみても想像しきれませんが、あれこれ知恵を絞った日本独特の風習で、暑さをしのいできました。

でもその変化の激しい四季に耐えるのは、人々だけでなく家具も同じ。そこで注目されたのが「桐材」だったのです。「私たちにも関係あるの?」と思うかもしれませんが、今の住環境においても活かせる特徴が詰まっているんですよ。

今回は、アンティークの桐箪笥を見ながら、やさしい木肌に隠れたその魅力と歴史を紐解いていきます。

箪笥の中でも歴史が浅いアンティーク桐箪笥

アンティーク桐材衣装箪笥 私たちの思う桐箪笥のイメージは、いわゆる "嫁入り箪笥" でしょうか。江戸時代の箪笥は「商家で使う家具」、というお話をMAGでもご紹介してきましたが、桐箪笥が主に普及したのは明治時代のことでした。

漆塗り、縁起物の金具がびっしり付いた箪笥に比べると、威風堂々とした雰囲気が無いように思えますが、それは実は "箪笥の目的" が違うため。多くの家庭に箪笥が置かれるようになったことで、生活においての使いやすさが徐々に反映されていったのです。見た目の装飾は木肌を活かしたものや、前金具もシンプルなものに変わっていきました。

また、作り始めた当初は、正直仕上げの技術もあまり高いものではありませんでしたが、その粗さゆえで表れた木味が、現代では愛着ある魅力として人気だったりするんですよ。

四季のある日本の気候にも合う桐材

アンティーク桐材観音箪笥 そして、アンティークの桐箪笥が重宝した理由は、その材料である桐材の優秀な性質にあります。

まず、暮らしの家具として捉えた時、移動のしやすさは案外大切ですよね。桐材は国産材の中でも最も軽量であると言われています。また、水を透しにくく、断熱性にも優れており、高温多湿である日本の気候にも難なく耐えられるのです。

そんな桐材を使った箪笥は、「収納物をしっかり保護してくれる箱」として、日本の生活の中で長年役に立ってきました。

歴史の中の知恵。桐材が役に立ったシーンは?

では実際、どんなシーンで重宝されてきたのでしょうか。今でもなるほど!と思えるあの収納に、活用されていたようですよ。

着物収納をカビから守る

アンティーク衣装箪笥 "おばあちゃんの家にある古い箪笥" として知られているのが、着物の収納に使われていた「衣装箪笥」。

湿気におびやかされやすい日本の気候環境では、桐材を使った箪笥があれば着物を守ることができました。たとえば現代シーンでは、よく押入れなどに敷く「すのこ」などに桐材が使われていたりしますよね。内部には水分を透しにくいものの、桐材自体には吸湿性があるので、カビ対策にも効果があるそうですよ。

湿気が大敵な漢方の保管に

アンティーク薬箪笥 この引き出しがいっぱいの箪笥は、「薬箪笥」と呼ばれるもの。先ほどもお話しした通り、湿気に強いことから医療に使う薬品や漢方の保管に使われていました。中には往診への持ち出しも考えたものも作られたことから、ここでも桐材ならではの軽量さが活かされたのでした。

また、こちらの写真のものは前面に欅材を使用。店先に置くために、"見せるところは賢く" なんて活かされ方もあったようです。まさに桐材は、箪笥にとっての縁の下の力持ちですね。

最後に

世間では、あまり日の目を見ていないように思えるアンティークの桐箪笥。その素朴さからはあまり想像できませんが、日本の暮らしには無くてはならない存在だったわけです。

桐箪笥を、今の暮らしへ取り入れるヒントにもなった今回の記事。実際の具体的な活かし方は、また次の機会にご紹介していこうと思います。

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筆者のご紹介

茶園みずき

様々な人との出会いに刺激を受け、専門学校卒業後にデザイン事務所へ。グラフィックデザインに限らず、イベント企画など、人と人がつながる場づくりにも精を出す。仕事をしていく中で、ものづくりについてもっと深く知りたいと思うようになり入社。家具の向こうに見えてくる、インテリアのコーディネートをお届けできればと思います。

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