こんにちは!ラフジュ工房店長の岩間守です。
前回の店長ブログでは建具の初心者講座、基礎知識編をお届けしました。
建具の基礎知識についてはこちらをご覧ください。

ということで、今回は「お問い合わせ&ご注文編」と題して、実際に当店の建具をご購入いただくにあたって、事前にお教えいただきたい点をまとめてみました!

目次
取り付けに協力してくれる工務店・建具屋はいますか?
冒頭でちょっと触れましたが、建具のご購入に関しては取り付けを「専門の業者にやってもらう」のか、それとも「自分でやる」のか、それ次第でお客様ご自身に確認していただきたい内容も変わってきます。
というか、工務店や建具屋などの専門業者に依頼してあるということであれば、当店の担当スタッフが直接業者と打ち合わせをさせていただく、ということが可能ですので、

なんて場合には、当店からお客様にお願いしてやっていただかなければならないことは、ほぼほぼないと考えていただいて大丈夫です。
ですが、


というように、やむにやまれぬご事情などで「なんとか自分で…」とお考えの方。
そのような方には、以下の2点を当店へ最初にお問い合わせいただく際か、もしくはご注文後の担当スタッフとのお打ち合わせの際に、予めお教えいただくようお願いしています。
この2つは必ずご確認ください!
・いつまでに必要?納期を教えてください
・どこにどう取り付ける?設置場所・仕様を具体的に教えてください

いつまでに必要?納期を教えてください
さて、まず第一にご確認をお願いしたいのが納期です。
皆さんに最初にお伝えしておきたいのですが、建具のリペアや加工をご依頼いただいた場合、現在は約3ヶ月ほど工房作業のお時間をいただいています。
また、実際に作業に入るまでにもお見積り(※必要な場合)、加工内容同意書の取り交わしなどの工程がありますし、そもそも建具のように大きな商品となると、配送にかかる日数も多めに見ていただく必要があります。
そのため、納期についてはある程度余裕をもってお問い合わせ・ご注文いただくことを、強くオススメします。
しかし!

もしも、お問い合わせ・ご注文いただいた時点で既に時間的な余裕がない!という場合。

実は、お届け先のご住所・お品物と仕上げの内容などによっては、短縮納期でのご対応が可能な場合もあるんです。
実現可能な必着日か否か、ご相談いただけたら担当スタッフが迅速に確認させていただきますので、納期でお悩みの際にはまずは一度ご相談くださいね!

どこにどう取り付ける?設置場所・仕様を具体的に教えてください
納期の確認が取れたら、お次はいよいよ建具の設置場所・取り付ける際の仕様など、具体的な点の確認に入っていきます。
その中でも我々が特にお教えいただきたいのが、
・高さや幅、寸法(サイズ)はどうするのか?
・設置場所は屋内なのか?屋外なのか?
・鍵や取っ手など、各種金具の取り付けはどうするのか?
・戸枠は必要なのか?
・開く向きはどうするのか?(※開き戸のみ※)
・化粧面の向きはどうするのか?
・引き込むのか?引き込まないのか?(※引き戸のみ※)
・レールの本数・形状はどうなっているのか?(※引き戸のみ※)
の8点です。

そうなんです、建具を取り付けるには事前の確認作業が必須なんですよ。
だからこそ、当店でもできる限りのサポートはさせていただいていますが、やはり業者に取り付けてもらうのが一番確実でスムーズだというところだけはご理解いただいた上で、ご自身での取り付けをお試しいただければと思います。
高さや幅、寸法(サイズ)はどうするのか?
さて、ご購入された建具をご希望の設置場所におさめるためには、寸法の狂いは命取り。
きちんと正しい測り方で、正確な寸法を出さなければなりません。
当店ではお客様にヒアリングした情報を踏まえて、「ここを計測してほしい」という箇所をまとめたシートをお送りしています。
これなら、どこを測れば良いのか一目瞭然ですね。
ちなみに…

なんて思われた方、それは大きな間違いですよ!


>>「建具の初心者講座・寸法(サイズ)の測り方編」
設置場所は屋内なのか?屋外なのか?
そして次に重要なのが、建具を設置したい場所は屋内なのか屋外なのか、という点です。
当店で取り扱っている建具のラインナップをご覧いただくとピンとくるかもしれませんが、実は多くが屋内用の建具なんです。
そのため、建具の設置場所が屋外だった場合(玄関ドアなど)には、必ず外部用塗装の有無の確認をさせていただいています。


屋内用の建具はそのままの状態では太陽光に弱く、使い続けるうちに色褪せを起こしてしまう可能性が非常に高いです。
また、表面にウレタン塗装が施してある場合には、劣化から塗装部分がパリパリと割れてきてしまったり…なんてことも。

鍵や取っ手など、各種金具の取り付けはどうするのか?
開き戸であっても引き戸であっても、実用品としてお使いいただくのであれば、鍵や取っ手・ラッチなどの各パーツが必要になってきますよね。
「設置場所は屋内だから鍵はいらない」であったり、「取っ手を交換してほしい」などなど、建具を実際にお使いいただく上で必要な金具の有無についても、予めご確認をお願いします。
当店ではご希望であれば、お客様からご支給いただいた金具を取り付けることもできますので、「他店で素敵な取っ手を見つけた!」なんて方は、ぜひご遠慮なくご相談くださいね。

戸枠は必要なのか?
さてさて、建具を取り付けるには大前提として、「戸枠」が設置されていなければなりません。
「今ある戸枠をそのまま利用する」ということであればいいのですが、そうではない場合には建具本体に合わせて戸枠も製作する必要があります。

開く向きはどうするのか? (※開き戸のみ※)
建具が開き戸の場合には、その開く向きも重要なチェックポイントになります。
右開き・左開きどちらにするのかはもちろん、内開きなのか外開きなのか、はたまた両開きなのか?ご確認いただく必要があります。

化粧面の向きはどうするのか?
建具の向きに関連してもう1点。
化粧面を室内・室外どちらに向けるのか?これもしっかり考えておかなければなりません。

建具には表と裏の2面がありますよね。
簡単にいってしまうと、「より見栄えがいい方=化粧面」なんです。

2面どちらから見ても見栄えのいい建具も中にはありますが、基本的には化粧面ではない・裏とされる側の面には、あまり凝った装飾を施したりはしません。
建具を選ぶ際には、そういった点も念頭に置いて見てみるといいでしょう。
引き込むのか?引き込まないのか? (※引き戸のみ※)
また引き戸については、まず「引き方」をどうするのか?という点を確認していただきたいです。
本当にざっくりとした分類になりますが、引き戸の引き方にはこのようなタイプがあります。
重要なのは、「引き込む」のか?「引き込まない」のか?
画像でご確認いただける通り、引き込む場合は壁の中に建具がすっぽり収納されるイメージなので、またちょっと勝手が違ってくるんです。
当然、実用いただく上で必要な加工内容も変わってきますので、この点については第一にご確認をお願いしたいところです。
レールの本数・形状はどうなっているのか? (※引き戸のみ※)
そして忘れてはいけないのが、建具設置場所のレールはどうなっているのか?という点。
レールの本数・形状によって、必要な建具の枚数や建具下部の溝の加工、戸車の形はどうするのか…などなど、取り付けにあたって肝となる部分が決まります。
和室であればレールはなく、敷居に直接溝が掘ってあることが多いかと思いますが、その場合でもやはり敷居の溝がどんな形状になっているのかは、確認しなければなりません。

などとお困りの方。
ご自身でのご判断が難しいという場合でも、どうぞご安心くださいね。

当店スタッフが判断をさせていただくにあたって、お送りいただきたいのはこんな画像です。
【これはV型】
【これは丸型】
【これは平型】
上記のようなレールの形が分かる画像、加えて全体を写した画像と上部の寄りの画像があればバッチリです。
お手数かとは思いますが、どうぞご協力をお願いします!
休題
今回は、当店の建具をご自身でご注文~取り付けまでご検討されている方々に向けて、その場合当店スタッフへ何をお伝えいただきたいのか?という点をご説明しました。

しかしながら今一度いわせていただきますと、「建具をプロの助力なしに自分たちだけで取り付ける」というのは、決して簡単なことではありません。
最初の方でも少し書かせていただきましたが、専門業者にお願いしてしまうのが一番簡単で確実なのは間違いないです。
というのも建具は木製品ですから、たとえ寸法などきっちり測っていただいた場合でも、気温や湿度の変化で反りが出てしまいうまく枠に入らない…なんてことも、ないとはいえないんです。
もしもそうなった場合、結局は業者を呼んでどうにかしてもらわざるを得ず、二度手間になってしまいかねません。
ですので、
・建具を自分で取り付けるには、事前の丁寧な確認作業が必須!
・取り付けの段階で万一何らかのトラブルが発生しても、その場ですぐに助けてくれる人がいない
・そもそも建具の取り付け自体、不慣れな人には骨が折れる作業
ということをしっかりご理解いただいた上で、ご判断いただけたらと思います。