突然ですが、「ラフジュ工房」でネット検索すると必ずヒットする口コミサイトと言えば?
そう!転職会議とエンゲージ(旧ライトハウス)ですね。
皆さんはきっとそこに投稿された口コミの数々を見て、「え、めちゃくちゃヤバい会社じゃん」と戦慄したことでしょう。
大丈夫、わたしもその一人です。
そんな、読む者に衝撃を与えるラフジュ退職者たちの生々しい声。
入社5年目、中堅ライターたるわたしが思い切ってここに集めてみました。
そして気になる口コミの真相を、あろうことか社長本人に聞いてきました。
今回ご紹介するのは、2015年頃在籍していたという男性からの口コミです。
実際の口コミ
これはなんというか…衝撃的な内容です。
この口コミを見て「ラフジュ工房で働きたい!」と思う求職者は、まずいないでしょうね。
私の知る今のラフジュ工房とはあまりにかけ離れていて、正直とても信じられません。
果たして、これは事実なのでしょうか?
修行と銘打った無償の早出と残業

ですが、投稿者が在籍していたのは2015年頃とのこと。
その当時のラフジュ工房は、恥ずかしながらこの方の言う通りの状態でした。
まず、「修行と銘打った無償の早出と残業」について。
そもそも修行ってなに?というところから説明させていただくと、修行は当時の私が新人教育のために作ったルールです。
全ての新入社員に適用されるわけではなく、その頃特に離職率の高かったリペア職のみ適用していました。
修行の期間については、明確にいつまでという期限はなし。
一定の成果が上がってくれば修行をしなくて良くなるし、成果が上がらなければ上がるまで修行が続く。
今はこれがどれだけ不毛なことか分かります。

修行の中身に関しては、早出は新人リペアスタッフ全員が対象。
20時以降のサービス残業は、早出と通常の勤務時間では成果が上がらない人にだけ声を掛けていました。
「残業代は払えないけど、腕を上げるために21時22時までやってて良いよ。どうする?」と聞いて、本人が「やります!」と言ったら、じゃあ頑張ろう!みたいな。
私もよく一緒に遅くまでやっていました。
でもこれも、傍から見たら社長が無理やり働かせているように映っていたかもしれません。
だって考えてみたら、社長に「頑張れるか?」って聞かれて「嫌です、無理です」と答える人はそういないですよね。
内心嫌だなと思っていたって、ほとんどの人は「頑張れます」「やります」と言うはず。
未熟な私は彼らのYESを馬鹿正直にやる気と受け取り、頑張れ頑張れ!とはっぱをかけ続けたあげく、何人も潰しました。

木工で食べていきたい、一人前になりたいと熱意をもって入社した彼は、正直なところ木工のセンスがありませんでした。
でもその頃の私はと言うと、上述の通り。
個々人の適性やセンスの重要性にまるで気付いておらず、時間をかけてやればできるようになると思い込んでいました。
なぜなら、本には『どんな人間だって頑張れば成果が出る』と書いてあったから。

結局その後、頑張り続けた彼は一人前になることなく辞めていきました。
彼にも、当時在籍していた他のスタッフたちにも、本当に馬鹿なことをしたと今でも反省しています。
そんな、思い出すと未だに恥ずかしい失敗である修行制度。
どういう考えがあって修行なんてものを作ったのか?その理由もお話させてください。
端的に言ってしまうと、修行は一種のフィルターとして考えたものでした。
アンティーク家具のリペアという仕事の物珍しさもあってか、県内外問わず相当数の求人応募が続いていた当時。

憧れの仕事に就くことができた、その事実に満足してしまうのか、しっかり働いて成果を出そうという努力が見られる人はほとんどいませんでした。
そんなことが続き完全にこじらせてしまった私は、それならばと『修行』という名のフィルターを作って、求職者をふるいにかけようとしたんです。
朝早く来るのって正直だるいし、しかもそれが無給だったら、みんな嫌がるはずだと。
逆に言えば、多くの人が嫌がるであろう条件を提示しても、「それでもラフジュ工房に入りたい!」と言ってくれる人なら、きっと辛く厳しい修行だって乗り越えて一人前になれるはず…と考えました。

だから、そのうちの一つである時間を強制的にかけさせて、熱意を測ろうとしたんですね。
それまでは早出自体がありませんでしたし、仕事の成果が上がらない人でも働いた時間分の給与は出ていました。
それでも、コンプライアンスを無視してでも、修行にはやる意味があると思ったんです。
本当にそのときは、もしこれで訴えられたとしても良いとまで思っていました。
が、私は馬鹿でした。
「はい、やります!」と言わなければ入社できないとなったら、何が何でも嫌じゃない限り大体は同意します。
実際、辞退したのは10人中1人ぐらいの割合で、同意して入社した人も結局は長続きせず辞めていく。

その後、より良い人材を集めるために会社を見直す中で、修行制度は廃止に。
コンプラ徹底重視の、現在のラフジュ工房の形へシフトしていきました。
では、修行があった頃と今とで、具体的に何がどう変わったのか?
大きな変化は、まずタイムカードを1分単位で付けるようになりました。
これにより、給料の発生しない仕事が一切なくなりました。
そしてもう一つ大きな転換が、成長が見られない人には辞めてもらうようになった点です。
修行があった頃は、本人が「頑張ります」と言う以上は修行を続けさせ、辞めさせるという選択肢はありませんでした。

上の方で話したスタッフしかり、適性のない仕事をいくら続けさせたところで、しんどいだけで上達なんてしないんです。
そりゃあ世の中には、どんな社員でも一人前に育て上げる立派な社長だっているかもしれません。
ただ残念ながら、私にはそんなこと無理でした。
その事実が分かったから、現在は試用期間の3ヶ月の間に一定の成長が見られなければ、辞めてもらうか部署異動を勧めています。
厳しいようですが、自分がお客様の立場だったらどう思うか考えてみてください。
未熟なスタッフがリペアした商品に、問い合わせに答えられないカスタマースタッフ。

また、成果を上げられない人を雇い続けることによって、他の社員のやる気がそがれる可能性もあります。
分かりやすい例だと、給与ですかね。
雇っている以上、会社は成果の有無に関わらず給与を支払わなければなりません。
しかしその分、成果を上げている人に割り振れるお金が少なくなってしまいます。
成果を出しているのに給与が上がらないとなれば、頑張って働くのが嫌になるでしょう。
すると仕事の精度は下がり、最終的にはやはりお客様に迷惑をかけることに。
適材適所で配置換えを行ったり、優秀なスタッフを厳選することは、提供する商品やサービスのクオリティを維持するために必要なことなんです。

弊社で扱っている商品はどれも1点ものばかり。
これってつまり、作られた国や時代、ダメージの程度なんかも一つ一つ全部違うということなんです。
全部違うから、どこをどういう風に直せば良いのか、最適解は毎回違います。
前は上手くいったあの方法が今回は使えないとか、そんなのは日常茶飯事。
商品の数だけリペアの道筋があります。
分岐が多すぎるからマニュアルもありません。
自分の頭の中で何度もイメージを組み替えながら、「これをこうしたらこうなる」「ここをこういじったらこうなる」と都度形にしていくしかないんです。
一を聞いて十を知る、までは言わなくても、一を聞いて三、四、五ぐらい分かる人じゃないと厳しいのかな、と思います。
パワハラが常態化
次に、「パワハラが常態化しており離職率が高い状況でした」について。

なにせ上でお話した通り、当時は修行という馬鹿げたルールを作り、適性なんて関係なしにただ闇雲に頑張らせていたわけですから。
成果が上がらない→上司からはっぱをかけられる→居残りして仕事する→やっぱり成果が出ない、この繰り返し。
そんな環境だったら、社員が疲弊してしまうのは当然ですよね。
適性のない人に成果を求めようとすると、結果的にパワハラになってしまう。
私はそれが分かっていませんでした。
私の上司としての至らなさが、「パワハラが常態化していた」と思わせる結果を招いてしまったのは間違いありません。
文句のある人間は全員辞めろ
そして、「その点に関する会議の場で改善案を皆で提示したところ管理職より、文句のある人間は全員辞めろとのお言葉を頂いた」。

あいにく私はその場にいなかったので、当時ミーティングに参加していたスタッフに事実を確認しました。
結論から言うと、この発言があったのは間違いないです。
経緯としては、ミーティングで早出残業について「なんとかならないんですか!」との声が上がったと。
それに対し、管理職スタッフが「そもそもそういう条件で入社しているじゃないですか」と返すも納得してもらえず、最終的には「そんなに会社のやることに納得できないんだったら辞めても良いですから」と言ったそうです。
しかしながらこの発言に関してだけは、会社として間違っていたとは思っていません。

ただ、なにも乱暴に「お前ら文句あるんだったら辞めろ!」と言っているわけではありません。
要は相手に何かしらの不満があるなら、それはもうさよならした方が精神衛生上良くないですか?ということなんです。
言ってみればカップルと同じ。
付き合ってはみたけど「この人とは考え方が合わない」と思ったら、別れを考えますよね。
本当にそれだけのことなんです。
さらに言うなら、今のラフジュ工房は徹底してコンプライアンスを守っています。
会社が法律を守った上で定めているルールに納得できないのであれば、尚のこと辞めた方が良いよね、ということになります。
まとめ。ライターのひと言
修行、まさかの事実でした。
求職者の熱意を測るために始まったという修行制度。
結果は大失敗だったわけですが、この手痛い失敗があったからこそ今のラフジュ工房があるんですね。
そして適性の大切さ、これに関しては完全に同意です。
投稿者が在籍していた当時のラフジュ工房は、適性のない人に成果を求め続けました。
その結果何が起きたのかは、「パワハラが常態化していた」というこの口コミに集約されています。
気持ち良く働くためには、適材適所、それぞれに適性のある仕事をするのが一番です。
適性のない人は辞めてもらう。
あるいは、他に活躍できそうな分野があるならそっちで頑張ってもらう。
それぐらい割り切った方が、会社も社員もストレスなくやっていけるのかもしれませんね。