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桐とはゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹のことで、見た目は木そのものですが、実は草科の植物に属しています。
そのため桐の中心部には空洞があり、まるで草の茎のようになっています。
弥生時代から使われてきたとされる桐は、神聖な存在とされてきました。
かつて日本では、娘が生まれると桐を植え、娘が嫁ぐ際にはその桐で箪笥(たんす)をつくって持たせるという風習があり、桐といえばやはり箪笥が有名ですよね。
他にも和楽器や下駄などで使用されたり、花や葉は桐家紋に取り入れられたりしています。
日本人はなぜ昔から桐をよく使い、重宝してきたのでしょうか。
桐の特性や魅力を知り、その秘密に迫っていきましょう!

桐の種類

桐の原産地は中国といわれており、日本では北海道から九州まで広く分布していますが、中でも「会津桐(福島県)」「津南桐(新潟県)」「南部桐(岩手県)」「秋田桐(秋田県)」が最高級ブランドとして有名です。
最高級とされる桐材が日本北部に集中している理由は、見た目が美しく粘りが強い丈夫な桐が育つためには、厳しい寒さと湿潤な風土が必要不可欠だからです。
しかしその地域で採れる桐材はどれも良質というわけではなく、木にも1本1本個性があるため、その中でも選び抜かれた優秀なものだけが高級桐材として使われます。
世界に目を向けても、中国・アメリカ・台湾・ブラジル・オーストラリア・フランスなど世界各国で植林されていますが、やはり寒冷地で育った北米産の桐材は見た目も材質も大変優れていると称されています。
それでは、日本で栽培されている桐の主な4種類についてご紹介していきます。

ニホンギリ

日本の在来品種で、自国の風土や気候にとても順応しています。
寒さに強く、その厳しい環境を耐え抜くことで良質な材木となり、美しさにおいても最高品と言われています。そのため需要が多く価格も高いです。
心材は淡褐色、辺材は心材よりも少し淡色をしています。

チョウセンギリ

栽培の際、土地の状態や気候の条件を受けやすいとされていますが、ニホンギリと同様の特性を持ち、材質は大変優れています。
強度もあり加工が容易で、主に家具や和楽器として使われています。

ウスバギリ

タイワンギリとココノエギリが自然に交配し生まれた種類だといわれています。
関東・東北地方では育たず南の地域で育つため、成長はとても早いです。
年輪幅は広く、材質は柔らかく、木目も薄いので家具の内装材として使用されることが多いです。

ラクダギリ

シナギリの変種、もしくはシナギリとニホンギリの交雑種ではないかと考えられています。
寒さに弱く、日当たりの良い暖かな場所を好むラクダギリは、ニホンギリやチョウセンギリよりも成長が早いです。

桐の魅力

軽い

桐は日本国内でとれる木材の中で最も軽く、世界で見てもバルサという木に次いで2番目に軽いとされています。
割れや狂い・収縮膨張が少なく摩擦にも強いため、より精密な加工がしやすいです。
この特性を活かし、家具はもちろんのこと建具・下駄・羽子板・浮木・書画を入れる箱など様々な用途で使われてきました。
また音を効果的に響かせることができるため、琴や琵琶などの和楽器にも使用されています。

優雅な木目と癒し

桐を磨いたり鉋(カンナ)をかけると「絹糸光沢」という美しい光沢が出てきます。
材質は柔らかく、ベタベタしておらず、その肌触りの良さからも高級感が漂います。
短期間で非常に早く成長する桐ですが、寒冷地で育った木はゆっくり成長し目が詰まるため、見た目も質もより優れたものに。
さらに木から放たれたマイナスイオンと芳香にはリラックス効果があり、空間全体を癒してくれます。
同時に遠赤外線も放っており、体の血行や新陳代謝を良くし、免疫力をアップしてくれるという何とも嬉しいたくさんの魅力を持った木材なのです。

防湿・防腐・防虫・防菌・防火

桐は水や湿気に強い上、湿度調整を行う性質も持ち合わせているため、カビの発生を抑制し常に快適な状態を保つことができます。
またアルカリ性質である木の中には「タンニン」「セサミン」「パウロミン」という成分が含まれており、この成分によって木は腐りにくくなり、虫や菌の発生も抑えることができるのです。
加えて防火性・断熱性が高く燃えにくいため、大切なものをしまう箪笥、金庫の中にも桐材は使われてきました。

桐でつくられた家具のご紹介

桐を使ったアンティーク家具

桐材を使用した家具といえばやはり桐箪笥ですが、生み出されたのは江戸時代の中頃といわれています。江戸時代後期になると庶民にも普及し、注目を集めていきました。
軽くて女性でも扱いやすい桐材の家具は、実用性を考えたデザインへと進化していき、大正時代に最盛期を迎えます。
湿気などに気をつければ、100年以上はもつとされている桐材の家具。木材に含まれている「タンニン」という成分により時が経つと黒く変色していきますが、その分重厚感のある落ち着いた佇まいで現代に生きる私たちを魅了します。

桐を使ったヴィンテージ家具

第二次世界大戦後は外国の文化が日本に入ってくることで、家具の世界も大きな影響を受けることとなりますが、そんな中でも古くから日本文化に寄り添ってきた桐材は無くなることなく守られ続けてきました。
昭和の時代に入ると婚礼家具セットブームが到来し、桐箪笥はたくさんつくられました。
アンティーク時代と同様に彫金金具の技術も素晴らしく、まさに我が国が誇る美しい伝統工芸品。
現代に移るにつれ、シンプルなデザインのものも出てくるようになりますが、桐材の家具をお部屋のコーディネートで取り入れれば品格ある「昭和レトロ」な空間を味わうことができます。

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桐を使った現代のブランド家具

生活様式の変化に伴い現状では桐箪笥の生産は減少していますが、現在でもつくられ続けています。
加茂桐箪笥、府中桐箪笥、春日部桐箪笥、名古屋桐箪笥、藤枝桐箪笥、泉州桐箪笥、紀州桐箪笥などが有名で、人気の高い老舗家具メーカー松本民芸家具の箪笥、力強い存在感を放つ仙台箪笥、耐久性も美しさも最高級の岩谷堂箪笥、軽井沢彫りの華やかな箪笥などもあり、それぞれ特徴も魅力も異なりますが、どれも職人さんの高い技術や熱心なこだわりが伝わってきて心惹かれるものがあります。
桐箪笥と聞けば高級なものをイメージし「堂々たる姿で大きい」と思われがちですが、実はデザインや大きさの種類も幅広く、総桐の物だったり部分的に桐を使用している物だったりと使用形式も様々。
現代ではアンティークやヴィンテージ物を自分好みにリメイクして使用されている方も非常に多いです。
和のテイストだけでなく、北欧スタイルやカントリースタイルなど洋のテイストにもマッチするのも魅力のひとつです。


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