関東水屋箪笥とは、関東地方で使われてきた台所収納家具のことを指します。水屋箪笥とは現代で言うところの食器棚のようなものであり、特に関東で生産された水屋箪笥を関東水屋箪笥と呼びます。
関東水屋箪笥の特徴
関東水屋箪笥の特徴は、さっぱりとしたデザインと使い勝手の良い設計です。ナチュラルな印象のものも多く、台所に置いたときに軽やかな印象に映えるのも魅力の一つ。デザインもどこかモダンで、現在のインテリアにもマッチするのが嬉しいですね。
素材・装飾など
関東水屋箪笥の素材には、欅や桧、栗などを使用しているものが多くあります。装飾は比較的シンプルに仕上げられていますが、組子を取り入れたり引き戸に格子を使用したりといったこだわりを感じるデザインのものもあります。全体に木の風合いを感じる仕上がりになっているので、ナチュラルな印象が特徴的です。
「水屋箪笥」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
関東水屋箪笥の種類
関東水屋箪笥は、3尺サイズから6尺サイズが一般的です。どちらかというと小ぶりの水屋箪笥が多く、住宅事情にマッチした水屋箪笥を生み出していたことが分かります。
関東水屋箪笥の歴史
水屋箪笥の発祥は関西地方。水屋とは茶の湯の世界で使われてきた言葉です。のちに台所のように水を扱うところを水屋と呼ぶように変化していき、ここに置かれる箪笥を水屋箪笥と呼ぶようになりました。
関西で広まった水屋箪笥の文化は、次第に北上し関西地方にも広まっていきます。関西の水屋箪笥は富の証でもあったのに対し、関東の水屋箪笥はその色合いは薄まり実用性に優れたシンプルなデザインになっていきました。
現在も全国各地で作られている水屋箪笥ですが、西と東ではこのような歴史背景による違いが出ています。
関東水屋箪笥と関西水屋箪笥の違い
水屋箪笥が広まったのは関西が初めでしたが、関東水屋箪笥と関西水屋箪笥にはどのような違いがあるのでしょうか。
関東水屋箪笥はどこか素朴さを感じるデザインが多い特徴があります。それは関西のものとは違い、小ぶりで実用的なものが多いからと言えます。関西水屋箪笥は大きめの存在感がある水屋箪笥であるのに対し、関東水屋箪笥は茶箪笥としても使えそうな小ぶりなアイテムが多く揃います。このサイズ感が柔らかな印象を作り出しているのです。また、引き出しが多いのも関東水屋箪笥の特徴です。
一方の関西水屋箪笥は、関東のものと比較して華やかな印象が特徴的。ラインも直線的できりっとした雰囲気です。
どちらの水屋箪笥にも異なる魅力がありますね。
「関西水屋箪笥」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。