














何気なく入った骨董屋で出会った、美しい和箪笥。まだ社会に出たばかりの頃、和のインテリアへの憧れはあったものの、
アンティークについては何も知らなかった頃です。それまで見てきた家具とは異なる、
長い時を刻んできた家具ならではの佇まいに、
部屋にその和箪笥を迎え入れた時の喜びは、今でも忘れられません。ラフジュ工房の家具を選んで下さった皆様に、
あの時の私と同じ喜びを感じていただけたら、そしてラフジュ工房の家具を通して初めてアンティークに触れる方に
「アンティークっていいな」と思っていただけたら… それ以上に嬉しいことはありません。
アンティーク家具の魅力とは何か?と尋ねられた時、
お話したいことは沢山あります。
その中でもラフジュ工房にとって一番なのは、
アンティーク家具が好きという以上に、
アンティーク家具をリペアすることが好きなんです。
リペアが必要な状態で売られている家具を見つけると、
すこし無理をしてでも買い取って、工房で綺麗に直して、
堂々とした姿でまた世に送り出したくなるんです。
ボロボロの状態の家具でも、
それは本当に凄い、大袈裟でなく、
奇跡のようなことだと思います。
そして、それを見たお客様にも喜んでいただける。
私たちにとってこんなに魅力的なことは、
家具のリペアだけです。
いつも意識していることは、もしラフジュ工房の家具を迎え入れて下さったお客様が、
その家具を必要としなくなることがあっても、また次の誰かに使ってもらえる、
愛着を持っている家具でも、時には引っ越しなどさまざまな理由で、手放すこともあるでしょう。その時、例えば家具に
興味のない業者さんが引き取ったとしても、本当に良いものは良いとわかってもらえると思うんです。価値を感じてもらうことが出来れば、誰かのもとでまた使ってもらうことが出来る。ラフジュ工房でリペアしてお客様に受け渡した家具が、
何年後、何十年後かに、巡り巡って全然違う持ち主の方から、また修理してほしいと依頼されるかもしれません。
今までラフジュ工房でリペアしてきた家具も、これからリペアする家具も、そのように受け継がれていってほしい、そうなれば最高だと思っています。