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アンティーク家具について

格子戸デザインの応用編。洋風でモダンなアンティーク格子戸

以前、「どんな部屋にも合う理由。格子戸の基本的な知識とデザイン入門」の記事で、格子戸の基本的な知識と、伝統的な格子戸のデザインの中から変わり種をほんの少しご紹介しました。
機能や目的によって、また地域性を反映してさまざまに変化し、たくさんの種類が生まれた格子戸ですが、さらに、時代によってもそのデザインを大きく変えています。格子は “四角” という基本的な形ですが、たかが四角、されど四角。シンプルであるがゆえに、様々な装飾にも変化するのです。
以前ご紹介した格子戸を見て、格子戸はやっぱり日本の伝統的な和風建具なんだなぁ、と思われたかもしれません。今回は、アンティーク格子戸の中から、そんな “和風” のイメージを取り払うようなモダンで洋風なデザインを、これもごく一部ですがお見せしたいと思います。

格子戸とガラスのみごとな融合

アンティークガラス格子戸
明治時代後期になると、日本には、洋風建築の登場と同時に建材としての板ガラスが登場します。
もともと室内空間が開放的であることが特徴の日本の住まいには、ガラスは馴染みやすかったといわれています。特に格子戸は、日本の伝統的な建具ではありますが、光を採り入れるという基本的な機能がガラスの特徴とぴったり。その相性の良さは疑いがありません。
日本文化と西洋文化の融合が進む大正時代には、ガラスという素材だけでなく、格子の四角いデザインも、もはや日本の伝統というよりもむしろ洋風でモダンに変化します。格子戸は、四角形という単調な形できているようですが、大きさの異なるいろいろな四角を組み合わせたり、はめ込むガラスの違いによっても、とてもデザイン的になるのです。

デザイン的な四角。近代的に変化した格子戸

アンティークペイントガラス戸
格子の幅を広くしたり一部狭くしたりする「吹寄せ(ふきよせ)格子」や、一部を短くする「切子(きりこ)格子」など。これらは古くからある日本の伝統的な格子戸のデザインです。
ところが、そのいくつかを応用的に組み合わせてできあがる変則的な格子模様は、和というよりむしろすっかり洋風です。もともとあったデザインだけに、違和感はなく、けれども目新しさをもって、格子が日本と西洋のちょうどよい橋渡しになっているようです。

シンプルな格子と模様ガラス

ダイヤガラス格子戸
格子のデザインはシンプルでも、中にはめられている模様ガラスがモダンな風合いを出しているのが、ガラスの入ったアンティーク格子戸の特徴と言えるかもしれません。むしろ、格子がシンプルな四角形だからこそ、控えめなガラスの模様が引き立ちます。
“嫌な視線を遮って光を通す” という格子戸の本来の役割は、モールガラスやダイヤガラスなどの模様ガラスと一緒になってその機能を果たしています。ガラスの入ったアンティーク格子戸は、ガラスの面積が広い分、格子の数は少なく、ほんのささやかな装飾になっていますが、不思議と際立って見えますね。

まるでステンドグラス、大正ロマンのガラス戸

大正ロマンのアンティークガラス戸
色ガラスが入って、まるで洋風のステンドグラスのように見える大正時代のアンティークガラス戸。
大正時代といえば目に鮮やかな色が特徴のガラスたちですが、格子戸の四角というシンプルな形が余計な派手さを押さえてくれるのですね。日本の伝統的な格子の和とアンティーク色ガラスの洋がうまく溶け合った、まさに大正ロマンの風情です。

最後に

木材をタテヨコに四角く組み合わせただけのシンプルな格子戸。以前の “格子戸入門” と今回の “応用編” で、こんなにたくさんの種類があるのかと驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。これでもまだまだほんの一部なんです。
基本を押さえて、さらに応用を知って、これを機会に家や風景にすっかり溶け込んだ格子戸を見つけてみてくださいね。日常や旅先での街歩きがますます楽しめると思いますよ。

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