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曲げ木カーブが目印。背もたれで違うベンウッドチェアのデザイン

カフェやインテリアショップに置かれている、あの背もたれがカーブした椅子。

正式な名前をご存知でない方がほとんどだと思いますが、「ベントウッドチェア」と呼ばれるものです。実は今から150年前に作られ始めたもの。以前の記事でも「ヨーロッパのカフェインテリアの定番!ベントウッドチェアの魅力」でそのストーリーを少しご紹介していますが、今回着目するのはそのチェアの種類。

その「ベントウッド」という名前の意味の通り、「曲げ木」の加工による美しい造形が楽しめるのです。特にそれが色濃く表れた「背もたれ」のデザインに注目して、本日はお話ししていきますよ。

定番中の定番、ダブルループチェア

ベントウッド ダブルループチェア 私たちがもっとも見かける定番であろう種類が、2本の棒が湾曲した背もたれの「ダブルループチェア」。その形からバルーンバック、フープバックとも呼ばれていたりします。カーブを描いたシルエットからか、木のトーンが落ち着いているものほどモダンな印象を受けます。

曲げ木の加工だけでデザインバリエーションを広げ、そして大量生産を可能にしたパイオニアといえば「トーネット社」なのですが、もちろん当時競合メーカーも存在し、アンティークで見かけることもあります。MUNDUS(ムンダス)社、そしてJ&J.Kohn(ヤコブ・ヨゼフコーン)社などが挙げられますが、後にトーネット社へ吸収されることとなり、それぞれのブランド名が付いたものは貴重となっていたりします。

Uの字のカーブが目印、ユーバックチェア

ベントウッド ユーバックチェア 見ての通り、Uを逆さにしたような背もたれからその名が付いた「ユーバックチェア」。

構造をできるだけシンプルにしつつも、デザイン的にも美しくまとめあげたのが見てとれます。角を残すようなシルエットがほどよくエレガントさが抑えており、メンズライクなコーディネートにもぴったりではないでしょうか。

竹のようなスポークのバンブーバックチェア

バンブーバックチェア 先ほどのユーバックチェアにも少しシルエットが似ている「バンブーバックチェア」。一見ウィンザーチェアを思わせる、挽きもの棒の背もたれが竹に似ていることから、そのように名付けられています。

やはり挽き物があるだけで印象は一気にエレガントになりますよね。少しクラシカルなコーディネートをお考えの場合は、ぴったりなはずですよ。

カーブのフィット感が良いパネルバックチェア

ベントウッド パネルバックチェア 続いてこれまで紹介してきたベントウッドとはまた違う、薄い板を湾曲させた背もたれが特徴の「パネルバックチェア」。

写真で見ても分かる通り、エンボス加工が施されています。このデザインにはエレガントなアールヌーボー調のものもあれば、直線的なアールデコ調のものもあります。シルエット自体はシンプルですが、このエンボスの飾りによってチェアの装いはまったく違うものになりますよ。

ヨーロッパのカフェで普及したカフェチェア

ベントウッド カフェチェア ベントウッドチェアの生産が最盛期の頃、ヨーロッパのカフェを中心に普及した形である「カフェチェア」。背もたれの形によって名前が付けられていたのもあり、そのまま?と思った方もいると思いますが、このチェアのデザインを見るとそれを物語っている気がします。

これまでご紹介してきたものとは雰囲気が違うのは、平らなスクエア状のパーツで形成されているからでしょうか。エレガントにもシンプルにも、どんな空間にでも馴染むこのバランスの良さが目にとまります。

背もたれから半円を描くアームチェア

ベントウッドアームチェア ベントウッドチェアにはアーム付きのものもあります。

背もたれから伸びるようにアームが付いた「アームチェア」は、通常のベントウッドチェアよりも強度が高いそう。また定番型と比べれば、流通量も格段に少ない種類のようです。

以前にご紹介したキャプテンチェアの形によく似ていますが、ゆったりくつろげるように座面・奥行が広くできています。そのため、ダイニングチェアとして使うより、書斎など休息が必要なシーンに置けば、そのいい特徴を活かしきれるでしょう。優雅さとしっかりとした実用性、両方が叶えられたデザインに惹かれますね。

最後に

シンプルだからこそ奥深い、背もたれの曲げ木加工。モダンなデザインも去ることながら、それを量産することを可能にするまでには、やはりたくさんの人と知恵が注ぎこまれてきたことでしょう。

今回は背もたれについて注目しましたが、今度は座面についても探っていこうと思います。

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筆者のご紹介

茶園みずき

様々な人との出会いに刺激を受け、専門学校卒業後にデザイン事務所へ。グラフィックデザインに限らず、イベント企画など、人と人がつながる場づくりにも精を出す。仕事をしていく中で、ものづくりについてもっと深く知りたいと思うようになり入社。家具の向こうに見えてくる、インテリアのコーディネートをお届けできればと思います。

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