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ANTIQUEFURNITURE RAFUJU STUDIO MAGAZINE

差がつくおしゃれ。和製アンティーク食器棚を楽しむポイントとは

手づくりならではの不揃いさ、当時のデザイン性、前の使い手によってつみ重ねられた味わい。

長い年月の中でこの3つによってつくり上げられたアンティーク家具たちは、もしかしたら偶然の産物に近いのかもしれません。

そんな業界では売り文句のように耳にする "アンティークは一点もの" という言葉ですが、正直「分かるようで分からないような...」と思う方もきっといらっしゃるはず。価値観は人それぞれでも、家具屋から見た「ここが面白い」は、知る機会になかなか恵まれることは無いですよね。

数ある和製アンティークの中で、今回着目するのはラフジュでもファンが多い食器棚。こだわると差が付く "おしゃれポイント" を、本日はお話ししていきますね。

映り込むゆらぎは「ゆらゆらガラス」だけの風情

ゆらゆらガラスのアンティーク食器棚 今でこそガラスは、平らで真っ直ぐなんてことは普通に思えますが、手工業の要素が強かった昔はそうもいかなかったのです。

その製法は当初、溶かしたガラスを吹いて円筒状にし、一部に切り込みを入れて平らな台に広げるといったもの。もちろん季節によってガラスの冷え方が違えば、職人の力加減もそれぞれであり、表面に入り込んだ空気の泡や、出来上がりの厚さ・質感も均一ではありません。また加えて細かく言うとこの "不均一さ" も、年代別に採用された製法によって違ってきたりします。

そんな、完全水平な透明ガラスを作れなかったゆえの粗さが、風合いとしてふたたび愛されているのが「ゆらゆらガラス」です。表面の凹凸によって揺らぐ風景と、毎日の食卓を支える食器たちが作り出す絵。中が "丸見え" だからこそ良い、器好きには特におすすめしたいアンティーク食器棚です。

格子など引き戸の遊びごころある装飾もポイント

格子引き戸のアンティーク食器棚 床座から洋式暮らしへ。食器棚が求められるシーンが変化したことで、テーブルと椅子での生活のスケール感に合わせたものになっていきます。大きさ違いの収納、小さな引き出し、そして作業台と、昭和時代にはどんどんと機能を詰め込んだものに形を変えていきました。

ただそんな進化の中でも、日本のアンティークならではの装飾が、ところどころに顔を覗かせているものがちらほら。このように引き戸の枠に格子がはめ込まれていたり、開き戸が窓のようにくり抜いてあったりと、それは職人の遊びごころが見える部分でもあるのです。

格子のリズムが違ったり、引き出しの配置一つで印象は全く変わるこの頃の食器棚。巡り合えた一点に決めるのか、根気強く色々吟味するのか、なんとも甲乙つけがたいですよね。

「見えるところ」に使われた木目にも注目

前面欅材のアンティーク食器棚 ネットなどで日本製のアンティーク食器棚を調べていると、「前面には○○材を使っていて...」というような表記を見かけたことはありませんか?

意味は説明の通り、框組を含めた引き出しの前板や引き戸などの、食器棚の前面に当たる部分にその木材が使われていることを指しています。つまり目に触れる部分には、ケヤキやナラなどの意匠の意味を込めて高級な木材を採用したりしました。

洋風家具の方が圧倒的に人気がある現代の日本では、趣向が木目の目立たないものにどうしても偏りがちなところがありますよね。その視点から言うと、特にケヤキは少し "くどい" ように見えるかもしれませんが、せっかく個性あるアンティークから選ぶなら、当時の木材も楽しみきるのがやはり一番だと思います。

たとえばこんな、引き戸に腰板が付いたものはデザイン的にも面白いですが、木目の良いところをふんだんに活かしたタイプでしょう。

造り込みの丁寧さに踏み込んでみる

古い商店のアンティーク陳列棚 装飾性から使われていたシーンが見えるのも、アンティークの面白いところです。

大きくて造り込みがしっかりしている物の多くは、自宅以外で「見せる目的」で作られたものだったりします。古い商店の陳列棚として特注されたりと、まさに当時では高級品でした。

このように引き違い戸をわざわざ4枚にしたり、額のように彫を施したりなど、ひと口には語れないほどその凝り方も様々です。

サイズやコスト的に家に迎え入れるのは難しくても、そういったところにも目を向けながら食器棚を知っていくのも、また面白いのではないでしょうか。

最後に

ひと目見て気に入ったものに出会えるのはもちろん最高ですが、やはり多くを知って多くから選ぶ楽しさも良いものです。

今回は食器棚に注目しましたが、その他の家具についての "アンティークポイント" も、また次回以降ご紹介していきますので楽しみにしていてくださいね。

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筆者のご紹介

茶園みずき

様々な人との出会いに刺激を受け、専門学校卒業後にデザイン事務所へ。グラフィックデザインに限らず、イベント企画など、人と人がつながる場づくりにも精を出す。仕事をしていく中で、ものづくりについてもっと深く知りたいと思うようになり入社。家具の向こうに見えてくる、インテリアのコーディネートをお届けできればと思います。

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