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アンティーク家具について

大正時代のアンティーク収納家具から見た、モダンデザインの特徴

あなたは「大正ロマン」と聞いて、何をイメージしますか?
竹久夢二を代表とする独特な美人画や、レトロな商業ポスターなど、ノスタルジックな日本の芸術作品をやっぱり思い浮かべるでしょうか。和洋それぞれの特色が融合した大正ロマンのデザインですが、その文化の広がりはグラフィックの世界だけでは無いんですよ。
照明や家具など、この頃から少しずつ普及した一般家庭の大衆家具にまで、その影響は浸透していったのです。大正時代の家具は、素朴な中にも日本らしい「洋」が取り入れられ、特有のムードを感じられるものばかり。その魅力にすでに気づいている、アンティーク家具好きの方もきっと多いと思います。
今回はその中でも、「収納家具」にフォーカスを当てて、大正時代ならではのモダンデザインの特徴に触れていきますよ。

食器棚によく見られる、縦横模様の格子戸

食器棚
大正時代のガラス収納棚によく見られる定番なのが、ガラス戸の格子。部分的には、さほど特別な造りではないように思えますが、最近のデザインにはありそうで無いんです。
格子戸といえば日本の古い家屋を想像しますが、そんな独特な伝統を反映させたのでしょうか。どうしても和の雰囲気が出やすい格子戸ですが、渋さというよりさりげない存在感を引き立たせるポイントになっていますね。
このように、ひとつの収納棚にいくつかの種類のレトロガラスを散りばめたりするのも、この頃の収納棚に見られる特徴でもあります。

西洋の美を、日本の視点で解釈した彫り

洋家具の華美な彫り
日本製の収納棚は、無駄な装飾がなくシンプルなものがイメージとして強いでしょうか。でも、この時代の収納家具を見てみると、扉や引き出しなどに彫りが施されているものが多いんです。
しかしよく見てみると、洋家具の華美な彫りとは、なんだかちょっと違う気がします。それが特に表れているのが透かし彫りの部分。モチーフとしては花や曲線のパターンが多いのですが、そのフォルムはどこかレトロで、写実的ではないですよね。西洋の家具の特徴と言える「優雅」さを、日本の和の視点で織り交ぜた、独特のデザインのものが出来上がったのです。
また、ガラス戸の枠が図形的な、アールデコを漂わせる印象的なものも作られており、モダンデザインが多様に広がりを見せたことが伺えます。

テレビ周りまで暖かなアンティーク・リビングで、ゆったり映画鑑賞。

アンティークリビング
日常に疲れても、リフレッシュは家に。ゆったりとワインを飲みながら映画を見るのが好きな、夫婦の暮らすリビングです。ふたりの贅沢時間に選んだのは、イギリスの伝統的な雰囲気がにじみ出るソファ。あたたかみは日本のシンプルな昭和レトロの家具で補っています。
優雅×親しみやすさが絶妙に調和した、木のぬくもりがあふれる空間にまとまっていますね。

台輪や棚上部のフォルムにも特徴が

コレクションケース
ワイン好きのふたりがペアグラスを収納するのに選んだのは、ゆらゆらガラスが大胆に張られたコレクションケース。グラスを飾り立てるように並べられるところにひと目惚れでした。
このように、下部で家具を支えている台輪や棚上部などに、曲線的な装飾が加えられているのも、この頃の定番です。”コテコテのエレガント”ではない細部のフォルムが、日本製のアンティークならではのような気がしますね。

最後に

西洋の文化に影響を受けながらも、日本の持つ伝統美や素朴さを織り交ぜた「独自の文化」を作り出そうと模索していました。優美すぎる雰囲気が苦手な方も、これならあまり抵抗なく自然な華やかさを取り入れることができますね。
今回は収納棚に着目してご紹介しましたが、また機会があれば、そのほかの「大正のモダン・インテリア」についてもお話ししようと思います。

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