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ANTIQUEFURNITURE RAFUJU STUDIO MAGAZINE

和なお部屋づくり。まず知っておきたいアンティーク衣装箪笥の基礎知識

「おばあちゃんが大切にしていた古い箪笥を譲り受けたのをきっかけに。」
「アンティーク着物が好きで、気がついたらずいぶん集めていたので収納用にほしいなぁ、と思って。」

など、ちょっとしたきっかけで、若い人でも古い和箪笥に触れたり、興味を持ったりする人が増えています。

時代箪笥と呼ばれる古い日本の箪笥の中でも、代表格と言えるのが衣装箪笥。その名の通り、着物をしまうための箪笥として愛用されてきました。そんなアンティーク衣装箪笥の基礎知識を、今回はまずご紹介します。

少し知るだけで、衣装箪笥を見るのがぐんっと面白くなってきますよ。

衣装箪笥が普及したのは意外と最近のこと

衣装箪笥普及 洋服タンスやチェストどころか、たっぷり収納のウォークインクローゼットが理想な現代では考えられませんが、江戸時代まで、手持ちの着物は毎日着ている一着のみ、と言うのが庶民の常識でした。

そんな庶民に箪笥が普及し始めたのは、生活に余裕が生まれ始めた、江戸時代後期。特に明治~大正時代にかけて、衣装箪笥の需要はどんどん高まり、良質の家具が多く生産される結果となりました。

アンティーク時代箪笥の醍醐味は金具

衣装箪笥などの時代箪笥は何と言っても、「そんなにつけなくても...」と言いたくなるくらいに施された、金具が印象的ですね。好みはともかくこれらの金具は、装飾と実用性どちらも兼ね備えたものばかりです。

衣装箪笥についている『取っ手』の役割

アンティーク時代箪笥金具 金具の中で、どのくらい実用的なのか疑問に思う金具のひとつが、衣装箪笥の両側面、上のほうについている大きな角ばった取っ手。箪笥を持ち上げて運ぶにしても、こんな大きな取っ手では、逆に不便な気がしますが、実はこれ、『棹(さお)通し』と呼ばれます。

その名の通り、棹を通して二人で運ぶために取り付けられた金具です。火事が多かった江戸時代には、棹通しのおかげで、高価な着物を衣装箪笥ごと運んで逃げられ、便利だったようですよ。

またここから、箪笥の数え方が『~棹』となったそうです。なるほどなぁ、と思うことが、アンティーク衣装箪笥一つをとっても、いろいろありますね。

衣装箪笥は豊かな地方色も楽しみのひとつ

時代箪笥は、各地に誕生した、生産地独自の特色を強く残しています。岩谷堂箪笥(岩手県)や佐渡箪笥(新潟県)など、いろいろある有名どころの中でも、特に有名な2つをご紹介します。

豪華な金具が特徴の、仙台箪笥

歴史ある仙台箪笥 衣装箪笥に詳しくない人でも、耳にしたことがあるくらい有名な仙台箪笥(宮城県)。一番の特徴はなんと言っても、豪華で凝ったデザインの金具です。

龍や鳳凰、牡丹などの縁起のいいとされるモチーフが打ち出されていて、職人技ならではの美が感じられます。当然、骨董品としての価値も常に高い、時代箪笥の代表格です。

真っ黒な黒漆塗りが独特な、庄内箪笥

黒漆が独特な庄内箪笥 山形の庄内地方で作られる庄内箪笥は、ケヤキの衣装箪笥と黒漆塗りが有名です。赤茶けた色やこげ茶色の漆(うるし)塗りの箪笥が多い中、黒漆塗りはその名の通り、金具と区別がつかないほど、黒く漆がほどこされた技法です。

黒漆塗りが前面だけにほどこされた箪笥のほうが、作りもよく高価なので、お探しの際には要注目です。

最後に

歴史や金具の用途・意味、生産地ごとの違いなど、ちょっと知識が増えるだけで、どんどん興味が湧いてくるアンティーク衣装箪笥の世界。

もちろんまだまだ奥は深く、知れば知るほどおもしろくなっていきますよ。機会があれば是非、いろいろな衣装箪笥を目にして楽しんでくださいね。

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筆者のご紹介

関口明恵

カナダのアートスクールでテキスタイルを学び、バンクーバーにて某北欧テキスタイルブランドに3年ほど勤務。細胞レベルで大好きな古今東西の布に加え、オーガニック、フェアトレード、thrift shopping、そして今度は家具と興味の対象は尽きない。日本で更に高まる好奇心を武器に、皆さんの興味をそそるような情報を発信していきます!

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